6日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比288ドル01セント(0.86%)高の3万3407ドル58セントで終えた。
朝方発表された9月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比33万6000人増と、市場予想を大幅に上回った。7、8両月分も上方修正され、米労働市場の底堅さが示された。
いったんは予想外の極めて堅調な内容と受け止められ、米金融引き締め長期化への警戒感が台頭。米長期金利の指標とされる10年債利回りは再び4.8%台に急上昇し、取引序盤のダウは一時270ドル余り下げた。
たが、売りの勢いは続かず、ダウ平均は上げに転じた。雇用統計では失業率が8月と同じ3.8%となり、市場予想(3.7%)を上回った。平均時給の前月比の伸び率が0.2%と市場予想(0.3%)を下回ったことで賃金インフレへの過度の警戒が和らいだとの見方もあった。
雇用統計を受けて急上昇した米長期金利が4.7%台に水準を切り下げたことが株の買い戻しを促した。高金利が米景気を冷やすとの見方が強まっており、「FRBの追加引き締めが必要なくなった可能性がある」との指摘があった。
ダウ平均は約4カ月ぶりの安値圏にある。6日は多くのS&P500種株価指数が一時、心理的な節目とされる4200に近づいた。雇用統計発表後の材料出尽くし感や自律反発期待から、売り持ちを解消して利益を確定する動きが広がったとの声があった。
ダウ平均は午前に270ドルあまり下げた後、午後に440ドル近く上げる場面があった。値幅は710ドルと3月22日以来の大きさだった。
顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトなどハイテク株の上げが目立った。映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株の一角も高い。建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株も上昇した。
ナスダック総合株価指数も反発し、前日比211.507ポイント(1.59%)高の1万3431.341で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや動画配信のネットフリックスなどハイテク大手全般が高い。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上げも目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比300円高の3万1330円で終えた。
9月の米雇用統計の発表後に米長期金利が上昇したのを受け、いったん売られた後に内容が見直され、米株式相場が上げに転じた。長期金利が上げ幅を縮めたのに加え、持ち高調整や売り方の買い戻しが優勢になった。日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
31330 ( +310 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
31360 ( +340 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
6日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ43.04ポイント(0.57%)高の7494.58で引けた。エネルギー株や、銀行・保険といった金融株が買われ、指数を押し上げた。エネルギー大手シェル、保険グループのアビバの上昇が目立った。
シェルは6日、2023年7~9月期に統合ガス部門などで生産量が従来見通しを上回りそうだとの認識を示した。アビバは、同業が買収を検討していると伝わったのが買い材料となった。
6日発表の9月の米雇用統計を受けて米長期金利が水準を切り上げると、指数は下げに転じる場面もあった。その後は米長期金利が上げ幅を縮小したことを受け、取引終了にかけて持ち直した。
FTSEの構成銘柄では、保険大手アビバが5.33%高と上昇率トップ。再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルが3.18%高、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが3.00%高、賭け屋大手エンテインが2.50%高で続いた。一方、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは2.62%安、日用品・食品大手ユニリーバは2.61%安、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーは2.52%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
6日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比159.55ポイント(1.05%)高の1万5229.77で終えた。米長期金利の上昇が重荷となり下げる場面もあったが、金融やIT(情報技術)、産業などの関連株が買われて指数を支えた。
4日にスイスのスタートアップ企業の買収を発表した半導体のインフィニオンテクノロジーズに買いが続いた。前日に大きく下げたスポーツ用品のアディダスも買われた。
個別では、通販大手ザランドが6.45%高、セメント大手ハイデルベルクセメントが2.56%高、商用車大手ダイムラー・トラックが2.32%高。半面、香料大手シムライズは2.17%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.04%安、電力大手RWEは0.94%安だった。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.88%高(週間1.05%安)だった。
