ダウ3日続伸26ドル高、材料難で小動き

14日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比26ドル23セント(0.1%)高の3万5307ドル63セントで終えた。

取引序盤のダウは米長期金利上昇を受けて割高感が意識されやすいハイテク株を中心に売りが先行した。その後は前週末終値を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。終盤は主に軟調な展開だったが、引け際にハイテク株主導でプラス圏に浮上した。この日は米主要経済指標などの発表がなく、手掛かり難となった。

今週は夏休み取得中の市場関係者も多いとみられる。連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のほか、小売売上高やウォルマートなど米小売り大手の決算に注目が集まっている。

半導体関連株の上昇が相場を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、アナリストが強気見通しを示したエヌビディアが7%上昇した。買いはアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など他の半導体関連やハイテク株にも波及。ダウ平均の構成銘柄では半導体のインテルや顧客情報管理のセールスフォース、スマートフォンのアップルが上昇した。

製薬のメルクや医療保険のユナイテッドヘルス・グループといったディフェンシブ株も買われ、ダウ平均を支えた。一方、ダウ平均は下げて推移する場面が目立った。中国では不動産大手の経営不安に加え、景気減速への懸念が高まっている。中国の成長鈍化が世界経済に悪影響を与えるとの見方から景気敏感株や消費関連株の一部に売りが出た。工業製品・事務用品のスリーエムやスポーツ用品のナイキが下落した。

米債券市場で長期金利が一時4.21%と昨年11月以来の水準に上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたのも重荷だった。インフレの沈静化に時間がかかり、米連邦準備理事会(FRB)が長期にわたって政策金利を高い水準にとどめるとの見方が根強い。財政悪化に伴う国債増発もあり、市場では「長期金利が高止まりする可能性がある」と懸念されている。

ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比143.482ポイント(1.1%)高の1万3788.331で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットの上昇が目立った。

 


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比160円安の3万2295円で終えた。NYダウは、材料難で小動きとなる中、3営業日続伸した。同日の米株式相場は上昇したものの、中国の景気懸念から日本株が大幅下落したのが投資家心理を冷やし、日経平均先物は売り優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32295 ( +205 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32315 ( +225 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7507.15(-17.01)

14日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前週末に比べ17.01ポイント(0.23%)安の7507.15で取引を終えた。中国不動産大手の経営悪化を背景に同国経済の先行きに不透明感が広がっており、投資家心理を冷やした。需要減退への懸念から資源やエネルギーなど商品関連銘柄に売りが出た。

FTSE100の構成銘柄では、オンライン食品販売大手オカド・グループが4.33%安と下落幅トップ。鉱業大手アングロ・アメリカンが3.58%安、賭け屋大手エンテインが3.24%安と続いた。一方、小売大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが3.01%高、通信大手エアテル・アフリカは2.94%高だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15904.25(+72.08)

14日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前週末に比べ72.08ポイント(0.46%)高の1万5904.25で取引を終えた。前週末の下落で主力銘柄には値ごろ感からの買いが優勢だった。ソフトウエアのSAPなどテクノロジーセクターが上昇し指数を押し上げた。半面、中国不動産大手の経営悪化を背景に同国景気の先行きに懸念が高まり、上値は限られた。

個別では、素材化学大手コベストロ(3.80%高)や防衛大手ラインメタル(1.81%高)、業務用ソフトウエア大手SAP(1.55%高)と買われた半面、通販大手ザランドが1.72%安、コメルツ銀行が1.36%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7348.84(+8.65)

フランスCAC40種指数は0.12%高だった。
欧州株は小売業とヘルスケアの上昇が鉱業株などの下落分を打ち消し、プラスで引けた。

 

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