日経平均は大幅安。472円安の3万1766円と急反落。売買代金3兆円台で薄商いというのは憚(はばか)られるが、ここ商いが減少傾向にあるのは確かで、きょうは先物主導の売りで揺さぶられて結局安値引けになった。
買い手控えムードが強く、終始売りに押される展開。日経平均は寄り付き時点でフシ目の3万2000円台を割り込み、取引時間中も大台に復帰する場面は一度もなかった。前場はやや下げ渋る場面もあったが、後場に再び下げ幅を広げ、結局安値引けとなった。
3万2000円より下では押し目を拾う動きも見られたが、後場に入ると持ちこたえられず、ズルズルと下げ幅を広げた。7月12日の安値(3万1791円)を下回り、終値(3万1766円)では75日線(3万1875円、16日時点)を下回った。決算発表が出そろって材料難となったタイミングでテクニカルの節目を割り込んでおり、流れは悪い。
8月に入ってから米国株の動きが悪く、外部環境もアゲインストとなっている。本日公表される7月のFOMC議事録が注目されるが、これが米国株の売り材料となった場合には、月末のジャクソンホール会合(8/24~26)辺りまで反転の手がかりが乏しくなる。日本株はチャート形状が悪くなっただけに、米国株の切り返し、もしくは米長期金利が低下する展開に期待したいところだ。マザーズ指数も日経平均同様に安値引けとなっており、1月につけた年初来安値(712.42p、1/4、8/16終値は726.50p)に接近してきた。ここで安値を更新してしまうと、大型グロース株にもネガティブな影響が出てくる懸念がある。下げ止まって負の連鎖を断ち切ることができるかに注目したい。
逆張りでも流れに逆らわない投資スタンスを心掛けるのであれば、目先はやはりインバウンド関連に優位性がある。きょう引け後に発表された7月の訪日外国人客数は232万人と、6月と比較しても一段と増勢にあり、これに加えて来月発表される8月のデータでは中国の団体旅行解禁に伴い、更に大きく上乗せされる可能性が濃厚だろう。全体相場は足もと逆風でも、インバウンド関連という範疇でみれば局地的なフォローウインドはしばらく続くと考える。
■上値・下値テクニカル・ポイント(16日現在)
32769.86 均衡表転換線(週足)
32755.45 均衡表雲上限(日足)
32627.80 均衡表基準線(日足)
32524.67 ボリンジャー:+1σ(26週)
32477.16 25日移動平均線
32358.36 13週移動平均線
32190.41 均衡表転換線(日足)
32186.82 6日移動平均線
32100.76 ボリンジャー:-1σ(25日)
31875.44 75日移動平均線
31766.82 ★日経平均株価16日終値
31724.36 ボリンジャー:-2σ(25日)
31677.55 ボリンジャー:-1σ(13週)
31347.96 ボリンジャー:-3σ(25日)
31007.28 均衡表雲下限(日足)
30996.73 ボリンジャー:-2σ(13週)
30374.28 26週移動平均線
30315.91 ボリンジャー:-3σ(13週)
30202.91 均衡表基準線(週足)
29149.06 200日移動平均線
28223.90 ボリンジャー:-1σ(26週)
26952.26 均衡表雲上限(週足)
26941.21 均衡表雲下限(週足)
26073.51 ボリンジャー:-2σ(26週)
25日移動平均線下方で下降角度を増す5日線を下放れ、7月12日の直近安値31791.71円を下回って安値引け。ローソク足は上ヒゲが極端に短く下ヒゲのない「陰の大引け坊主」に似た形状を描いて強い売り圧力を窺わせた。25日線とのマイナス乖離率は2.19%、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は106.36%といずれもほぼ中立圏にあるため潜在的なリバウンド圧力は弱いとみられ、下落トレンド延長のリスクに警戒が必要となろう。
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