ダウ174ドル安と2日続落、金融株や小売り株の下落

22日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比174ドル86セント(0.5%)安の3万4288ドル83セントと7月中旬以来の安値で終えた。

先週から上昇が続いてきた米長期金利はこの日やや一服したものの、10年物利回りは約16年ぶりの高水準近辺にとどまっており、株式市場の重荷になった。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が景気の底堅さを理由に利下げを後ろ倒しにするとの懸念がくすぶっている。

また、格付け大手S&Pグローバル・レーティングスが前日に米地銀5行の格付けを引き下げた影響で、大手も含め銀行株の大半が下げた。金融機関の経営環境の厳しさが改めて意識され、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった金融株への売りが目立った。

一方、ハイテク株は前週の下落を受けた値頃感から買いが入りやすく、上昇する銘柄が多かった。

消費関連株の一角も安く、スポーツ用品のナイキやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが下げた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、百貨店大手のメーシーズは22日発表の四半期決算で示した2023年8~10月期の業績見通しが市場予想を下回り、株価が急落した。消費の先行き不安が意識され、小売り株の重荷となった。

半面、足元にかけて下げが目立っていたスマートフォンのアップルは上昇した。航空機のボーイングや通信のベライゾン・コミュニケーションズも買われ、相場を下支えした。

ナスダック総合株価指数は小幅に続伸した。前日比8.283ポイント(0.1%)高の1万3505.873で終えた。電気自動車のテスラが上昇した一方で半導体のエヌビディアが下落するなど主力銘柄の動きはまちまちで、指数は方向感を欠いた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比40円安の3万1760円で引けた。同日の米株式市場は、米長期金利の高止まりが警戒され、NYダウ工業株30種平均が下落し、日経平均先物には売りが優勢だった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
31760 ( -160 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
31765 ( -155 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7270.76(+12.94)

22日のFTSE100種総合株価指数は8営業日ぶりに反発した。前日に比べ12.94ポイント(0.18%)高の7270.76で引けた。前日まで7日続落していたため、自律反発狙いの買いが入った。不動産や素材関連の上げが目立った。

FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが5.49%高と上昇率トップ。工業・電子製品大手RSグループが3.97%高、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループが2.42%高で続いた。
一方、小売り大手JDスポーツ・ファッションは6.85%安と急落。オンライン食品販売大手オカド・グループは1.93%安、保険大手ビーズリーは1.58%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15705.62(+102.34)

22日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比102.34ポイント(0.66%)高の1万5705.62で取引を終えた。ドイツ国債利回りの低下が投資家心理の支えとなった。金利動向に敏感な不動産株やハイテク株に買いが入った。

個別では、不動産大手ボノビアが2.78%高、半導体大手インフィニオンが2.71%高、分子診断大手キアゲンが2.59%高。半面、防衛大手ラインメタルは1.33%安、高級車メーカーのポルシェは0.74%安、ミュンヘン再保険は0.73%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7240.88(+42.82)

フランスCAC40種指数は0.59%高だった。
金属価格の上昇を好感し、鉱業株も相場のけん引役となった。

 

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