3日ぶり反発184ドル高、長期金利低下を好感

23日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比184ドル15セント(0.5%)高の3万4472ドル98セントで終えた。
米S&Pグローバルがこの日発表した米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は前月から低下し、市場予想を下回った。これを受けて、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めの長期化懸念が後退し、長期金利の指標である10年物米国債の利回りは4.2%前後に低下。アップルやインテル、マイクロソフトなどハイテク株が買われた。
23日の通常取引終了後に画像処理半導体のエヌビディアが発表する四半期決算への期待感もハイテク株などの買いを誘った。

8月の米PMI速報値では総合が50.4と半年ぶりの水準に低下し、好不況の境目である50に近づいた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げが続くとの見方が後退し、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時、前日比0.14%低い(債券価格は高い)4.18%に低下した。前日には4.36%と2007年11月以来の高水準を付けていた。

金利上昇局面で強まった株式の相対的な割高感が和らぎ、スマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォース、ソフトウエアのマイクロソフトなど高PER(株価収益率)のハイテク株が全般に買われた。

ダウ平均の構成銘柄ではないがエヌビディアが3%あまり上昇し、投資家が決算発表を前に買いを入れていたとの指摘があった。同社の業績や見通し次第では人工知能(AI)関連銘柄の業績期待が再び高まる。目先の相場の方向感を左右するとの見方もあり、市場の関心が集まった。

ダウ平均は前日に7月中旬以来の安値で終えており、値ごろ感から景気敏感株や製薬などのディフェンシブ株の一角にも物色が入った。一方、業績と見通しが悪化したスポーツ用品販売のフットロッカーが急落し、スポーツ用品のナイキが連れ安した。

ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比215.160ポイント(1.6%)高の1万3721.033で終えた。動画配信のネットフリックスが高い。交流サイトのメタプラットフォームズも買われた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

23日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比235円高の3万1995円で引けた。
高止まりしていた米長期金利の低下を受けて同日の米株式相場が3営業日ぶりに反発した。
投資家心理は改善に向かうとの見方から日経平均先物にも買いが優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
31995 ( +25 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32005 ( +35 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7320.53(+49.77)

23日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ49.77ポイント(0.68%)高の7320.53で引けた。週初におよそ1カ月半ぶりの安値を付けており、前日に続き、自律反発狙いや値ごろ感からの買いが優勢だった。セクター別では、素材や不動産、テクノロジーの上げが目立った。

FTSEの構成銘柄では、産金大手エンデバー・マイニングが4.18%高、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループが3.19%高、不動産大手セグロが2.95%高。一方、小売り大手JDスポーツ・ファッションは5.40%安と前日に続いて急落したほか、石油大手BPは1.41%安、エネルギー小売り大手セントリカも1.33%安と売られた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15728.41(+22.79)

23日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比22.79ポイント(0.15%)高の1万5728.41で終えた。ドイツ長期金利が低下し、投資家心理の改善につながった。金利動向に敏感な不動産株を中心に買いが入り、指数を支えた。

個別では、不動産大手ボノビアが2.33%高、香料大手シムライズが1.72%高、製薬大手メルクが1.71%高。半面、スポーツ用品大手アディダスは3.30%安、セメント大手ハイデルベルクセメントは2.67%安、コメルツ銀行は1.96%安だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7246.62(+5.74)

フランスCAC40種指数は0.08%高だった。
世界的な金利の高止まり観測が後退する中、買いが入った。

 

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