69円安と反落、短期的な過熱感で利益確定売り

 
5日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前日比69円18銭(0.21%)安の3万2870円00銭だった。前日までの6営業日で1300円超上昇しており、短期的な過熱感を意識した利益確定売りが優勢だった。
 
全般手控えムードのなか、朝方は3万3000円を取引時間中として8月2日以来およそ1カ月ぶりに上回る場面もあったが買いは続かず、日経平均は下値を探る展開となった。
前日の米国株市場がレーバーデーの祝日で休場だったことから手掛かり材料に欠け、積極的な買いが入らなかった。日経平均は前日まで6連騰と上値指向が続いており、きょうは目先筋の利益確定売りが優勢となった。アジア株指数が総じて軟調に推移しているほか、米株価指数先物も冴えない動きとなっていることも市場センチメントを冷やしている。ただ、下値では押し目買いが観測され下げ幅は限定的だった。
 
前日まで上昇の目立っていた利回りの高い銘柄や、直近で年初来高値を更新した銘柄などに売りが出た。4日の欧州の株式相場が下落したのも相場の重荷となった。
 
市場関係者は「日経平均はチャート上で25日移動平均を上抜けており地合いは強いものの、心理的な節目を超えたことでいったん達成感から売りが出た」と指摘した。
 
今週末は9月限先物・オプション取引の特別清算指数算出(メジャーSQ)である。日経平均のオプション取引では、行使価格33000円にコール(買う権利)の建玉残が大きく積み上がっており、この水準では売り方と買い方の攻防が激しくなりそうだ。日経平均が3万3000円を明確に超えてくるようだと、コールの売り手であるディーラーのヘッジ目的の先物買いが強まる可能性はあるだろう。
 
ただ、日経225先物は5日の夜間取引に一時3万3090円まで上昇した後に失速して3万3000円割れ。現在行われている日中取引でも一時3万3000円を捉えたが、その後に失速して同水準乗せには二度失敗している。こうなると、日経平均は一時の3万3000円乗せによって目先の達成感が強まってしまったともいえそうだ。レーバーデー明け後の今晩の米国市場の動きがより一層重要になってきたと思われ、先行きを注視したい。

 


東証株価指数(TOPIX)が8.59ポイント安の2365.14と反落した。JPXプライム150指数も反落し、前引けは2.55ポイント(0.24%)安の1047.74だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7230億円、売買高は6億5853万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1073と、全体の6割弱を占めた。値上がりは664銘柄、横ばいは96銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では鉄鋼、石油・石炭製品、保険業の下落が目立った。上昇は精密機器、不動産業など。
 
個別では、きょうも断トツの売買代金をこなしているレーザーテックが買い優勢、日経平均に採用されたニトリホールディングスも高い。信越化学工業が堅調、FOOD & LIFE COMPANIESが大きく買われた。沖電気工業が一時ストップ高に買われる人気となり、北川鉄工所も値を飛ばした。F&LC、東映は国内証券のレーティング格上げで大幅高となっている。
 
半面、JFEホールディングス、ソシオネクストの下げが目立つほか、アドバンテスト、ファストリ、ソニーグループなども軟調。JVCケンウッドが売られた。
国内証券のレーティング格下げが嫌気されたイーレックス、NOK、太平洋セメ、大成建設が下落した。

 

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