57ドル高 Apple株の下げが重荷

7日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比57ドル54セント(0.2%)高の3万4500ドル73セントで終えた。前日までの2日間で400ドル近く下げた後で、ディフェンシブ株を中心に買いが入った。半面、米金融引き締めの長期化観測は根強い。

米アップルのiPhone(アイフォーン)を巡り、中国が中央政府機関の職員に対し、公務での使用を禁じたと報じられたのを受け、取引序盤のダウはアップル主導で弱含みに推移。一時マイナス圏に沈んだ。
ただ、前日まで2日続落し、安値拾いの動きが出たほか、製薬株などディフェンシブ銘柄を中心に買いが入り、ダウは取引中盤以降は堅調な値動きが続いた。ただ、アップルのニュースを受け、米中対立への懸念が強まり、ハイテク株は軟調な展開が続き、終日ダウの重しとなった。

米国の物価高止まりへの懸念が根強く残るなか、国内外の景気の先行き不透明感が意識されやすかった。業績が景気に左右されにくいディフェンシブ株に買いが入った。バイオ製薬のアムジェンが2%上昇し、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや製薬のメルク、医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も高い。アナリストが投資判断を引き上げた外食のマクドナルドも買われた。

ダウ平均の上値は重く、下げに転じる場面もあった。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は21万6000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万件)を下回った。2023年4~6月期の単位労働コストの改定値は速報値から上方修正され、前期比2.2%上昇と市場予想(1.9%上昇)も上回った。市場では「コアインフレは高止まりしそうで、追加利上げ観測を高める」との声が聞かれた。

米長期金利の先高観があるうえ、中国政府による米ハイテク企業を対象とした規制強化への懸念もハイテク株売りにつながった。スマートフォンのアップルは続落し、3%安で終えた。

ナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比123.639ポイント(0.9%)安の1万3748.832で終えた。エヌビディアが2%安、クアルコムが7%安となるなど、半導体関連株の下げが目立った。

 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比230円安の3万2670円で終えた。

NYダウは、景気動向に左右されにくい業種の株を中心に買われ、反発した。ハイテク株は軟調な展開が続き、終日ダウの重しとなった。
米ハイテク株安などをきっかけに同日の東京市場で日経平均株価が下落した流れを引き継ぎ、シカゴ市場でも先物売りが優勢となった。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

7日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日に比べ15.58ポイント(0.21%)高の7441.72で取引を終えた。中国や欧州の景気減速懸念が強まっており、業績が景気動向に左右されにくい医薬品や公益事業などディフェンシブセクターに買いが入った。外国為替市場で英ポンドが対ドルで3カ月ぶりの安値圏にある。売上高に占める海外比率の高い日用品のユニリーバなど日用品セクターの上昇も指数を押し上げた。

FTSEの構成銘柄では、メルローズが5.54%高、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが4.24%高、送電大手ナショナル・グリッドが2.22%高。一方、段ボール大手スマーフィット・カッパは3.79%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションは3.63%安、医療機器大手スミス・アンド・ネヒューは3.45%安となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

7日のドイツ株価指数(DAX)は5日続落した。前日に比べ22.71ポイント(0.14%)安の1万5718.66で取引を終えた。7日発表の7月のドイツ鉱工業生産指数が前月比0.8%低下と、金融情報会社リフィニティブがまとめた市場予想(0.5%低下)を下回った。

 
ドイツでは、製造業新規受注や小売売上高などで予想を下回る内容の指標発表が続いており、同国経済の弱体化が意識された。自動車や小売りなど消費関連銘柄の一角や化学セクターに売りが出た。
 
個別では、航空関連株が買われ、MTUエアロ・エンジンズは1.85%高、エアバスは1.79%高だった。
半面、スポーツ用品大手アディダスは3.23%安、半導体大手インフィニオンは2.63%安、自動車部品大手コンチネンタルは2.29%安で取引を終えた。
 

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.03%高だった。
米アップル株の急落を受けて半導体などハイテク株が売られ、総じて軟調だった。

 

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