ダウ28ドル安、ホームセンター銘柄に売りが広がる

20日のNYダウ工業株30種平均は反落した。終値は前日比28ドル97セント安の2万1611ドル78セントだった。
 
日銀や欧州中央銀行(ECB)が金融政策の据え置きを決定したほか、複数の主要企業決算が好感され、買いが先行した。
 
週間新規失業保険申請件数が予想より減少したほか、6月景気先行指数も予想を上振れたが、原油相場の下落や、アマゾンの参入懸念でホームセンター銘柄に売りが広がり、ダウが伸び悩む展開となった。
 
ホームセンター大手ホーム・デポが大きく下げてダウ平均を下押しした。
ホーム・デポは約4%下げ、1銘柄でダウ平均を43ドル近く押し下げた。

米主要企業の発表が本格化している四半期決算も、この日はダウ平均の押し下げ要因となった。保険のトラベラーズとクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが公表した2017年4~6月期決算は減益で、ともに株価が下落した。

米政治の停滞も株式相場の重荷となった。米政権とロシアとの不透明な関係を捜査するモラー特別検察官が家族の資産を調査したことをトランプ大統領が批判した。ロシア疑惑に解決の糸口がみえず、減税など経済政策の審議が遅れるとの見方が株式の買いの勢いを鈍らせた。

ナスダック総合株価指数は10日続伸した。前日比4.960ポイント高の6390.002で終え、連日で過去最高値を更新した。取引終了後に四半期決算を発表するマイクロソフトのほか、フェイスブックなど時価総額の大きい主力株が買われて指数を押し上げた。ナスダックが10日続伸するのは2015年2月24日まで10日続けて上昇して以来およそ2年5カ月ぶり。

セクター別では、電気通信サービスや医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で運輸や小売が下落した。

 
ガスパイプライン大手のキンダー・モルガン(KMI)は増配と自社株買いを発表し、堅調推移。小売大手のシアーズ・ホールディングス(SHLD)は、同社の家電ブランド「ケンモア」の全製品をネット小売りのアマゾン(AMZN)を介して販売する計画を明らかにし、大幅上昇した。

一方、シアーズとアマゾンの提携を受け、ホームセンターのホーム・デポ(HD)やロウズ(LOW)が下落。半導体のクアルコム(QCOM)は、携帯端末のアップル(AAPL)とのライセンス料を巡る法廷闘争で、7-9月期の減益見通しを発表し、軟調推移となった。

 
NYダウ工業株30
(ドル)
        
21,611.7828.97 
S&P500
2,473.450.38
ナスダック
6,390.0024.960

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。9月物は前日比75円高の2万0090円で終え、大阪取引所の終値と並んだ。
円安が進んだ場面で日経平均先物には買いが広がった。日銀の金融政策決定会合や黒田東彦総裁の記者会見を受け、緩和的な金融政策が長引くとの見通しも相場を支えた。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)  
20090 ( 0 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て) 
20110 ( +20 )

 

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100種総合株価指数は続伸。前日終値に比べ56.96ポイント高の7487.87で引けた。石油株とたばこ株の上げが指数上昇に貢献し、構成銘柄の約8割が上昇した。
石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルが上がった。たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコとインペリアル・ブランズの上げも目立った。
半面、航空のイージージェットは6%近く下落した。夏の料金見通しに警戒感を示したことが嫌気された。同業のインターナショナル・エアラインズ・グループも大幅安となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

ドイツ株式指数(DAX)は小反落。終値は前日比4.80ポイント(0.04%)安の12447.25だった。午後遅くに急速に売られ、下落に転じた。
英イージージェットの株安が欧州各国の航空株に影響を与え、ルフトハンザも8%超下落した。
一方で、重電のシーメンスと医薬・農薬大手の独バイエルは買われた。ハイデルベルクセメントは、アナリストが投資判断と株価目標を引き上げたことが好感され、上昇した。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5199.22   -16.85

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