ダウ続伸し87ドル高、利上げ警戒和らぐ

11日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比87ドル13セント(0.25%)高の3万4663ドル72セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げへの警戒感が和らいだのが買いを誘った。大手ハイテク銘柄の一部が大幅に上昇したことも投資家心理の支えとなった。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはこの日、米連邦準備制度理事会(FRB)高官らが利上げの行き過ぎによる景気への副作用を以前より恐れるようになっていると報じた。市場参加者の間で注目されている記者の記事だったことから、年内に追加利上げが行われるとの見方が和らいだ。
一方で、13日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見姿勢も強く、上値は限られた。

景気敏感株の一角が買われ、工業製品・事務用品のスリーエムと機械のハネウェル・インターナショナルが上昇した。映画・娯楽のウォルト・ディズニーも買われた。ケーブルテレビ大手に対する配信契約を更新することに合意したと発表し、好感した買いが入った。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、電気自動車のテスラは10%強上昇した。モルガン・スタンレーが投資判断を引き上げたことが材料視された。買いは他のハイテク株にも及び、ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルの上げが目立った。

ただ、ダウ平均の上値は重く、上げ幅が前週末の終値近辺まで縮小する場面があった。13日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見の投資家が多く、一部銘柄には売りも出た。ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや石油のシェブロン、スポーツ用品のナイキが下げた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比156.368ポイント(1.13%)高の1万3917.894で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズは高性能のAI(人工知能)を開発していると伝わり、3%強上昇した。アップルと通信半導体を2026年まで供給する契約を結んだと発表したクアルコムは大幅高だった。
 


【シカゴ日本株先物概況】

11日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比85円安の3万2435円で終えた。
NYダウは、米利上げ観測の後退を背景に3営業日続伸した。
同日は米株式相場が上昇したものの、金利上昇や円高進行を受けて日経平均株価は下落しており、シカゴ市場の先物には売りが優勢だった。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
32435 ( +155 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
32490 ( +210 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7496.87(+18.68)

11日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前週末に比べ18.68ポイント(0.24%)高の7496.87で取引を終えた。11日の中国・上海株式相場の反発が投資家心理を支えた。中国当局の景気刺激策への期待は根強く、資源や銀行セクターが上昇した。

FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが4.62%高と上昇幅トップ。資源大手リオ・ティントが3.44%高、産銅大手アントファガスタが2.93%高と続いた。一方、投資会社メルローズ・インダストリーズは4.95%安、製薬大手アストラゼネカは3.17%安、オンライン食品販売大手オカド・グループは2.25%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15800.99(+56.24)

11日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前週末に比べ56.24ポイント(0.35%)高の1万5800.99で取引を終えた。前週に売りが優勢となっていた後で、値ごろ感の出た銘柄を中心に押し目買いが入った。中国による景気対策への期待が根強く自動車や小売りなど消費関連銘柄が買われた。

個別では、不動産大手ボノビアが4.21%高、素材化学大手コベストロは3.88%高、防衛大手ラインメタルは2.94%高と買われた半面、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは12.1%安と大きく売られたほか、医療機器のサルトリアスは3.21%安だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7278.27(+37.50)

フランスCAC40種指数は0.52%高だった。
中国の好調な経済指標を背景に主要金属消費国の経済安定の兆しが見られたことを受け上昇した。

 

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