日経平均株価は5日続落。上昇する場面もあったが、動きが良くなるとすぐに売りが出てきており、流れが悪くなっている。
為替が円高に振れると日本株の相対的な魅力が落ちる上に、自動車株やインバウンド関連など買いづらくなる銘柄も出てくる。米国の長期金利が低下した上での円高(ドル安)であればグロース株に資金が入りやすくなるが、米金利は上昇傾向にあり、安心して買えるものが少ない状況。その分、逆に強い銘柄には資金が集中し、良品計画がいきなりストップ高になるといったマネーゲーム的な動きが発生する。もうしばらくは不安定な状況が続きそうだ。
あす11日の日経平均株価は、10日に指数連動型ETF(上場投資信託)の分配金捻出に伴う売りが一巡したことで、需給改善が期待され、「しっかりした展開になるのではないか」との声が聞かれた。
10日の日経平均株価は5営業日続落し、この間に合計1500円超の下落となった。海外要因に変調がなく、投資家心理が落ち着けば、自律反発狙いの買いが入りやすいとみられる。ただ、主要企業の23年4-6月期決算が本格化するまでは、買いは限定されるとの読みもある。
一方、テクニカル面では、気掛かりな点がある。日経平均は取引時間中ベースで6月27日の安値(3万2306円99銭)を下回った。これにより、チャート上では売りサインとされる『ダブルトップ』(6月19日高値3万3772円89銭と7月3日高値3万3762円81銭)を形成し、「下値不安がある」との見方も出ていた。3万2000円近辺で下げ渋って時間をかけて過熱感を削いでいくのかというところだろうか。
決算発表銘柄は上でも下でも値幅が出やすくなるだろう。買われる銘柄が多くなり、森(全体)ではなく木(個別)を見る相場に移行できるかどうかがポイントとなるだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(10日現在)
33753.33 新値三本足陽転値
33564.62 ボリンジャー:+2σ(26週)
33513.53 ボリンジャー:+1σ(25日)
33144.17 6日移動平均線
33034.90 均衡表転換線(日足)
32944.09 25日移動平均線
32720.67 ボリンジャー:+1σ(13週)
32514.95 均衡表基準線(日足)
32388.42 ★日経平均株価10日終値
32374.65 ボリンジャー:-1σ(25日)
31805.21 ボリンジャー:-2σ(25日)
31370.63 ボリンジャー:+1σ(26週)
31352.35 均衡表転換線(週足)
31235.78 ボリンジャー:-3σ(25日)
30926.13 13週移動平均線
30480.17 均衡表雲上限(日足)
30342.88 75日移動平均線
29760.50 均衡表基準線(週足)
29253.05 均衡表雲下限(日足)
29176.64 26週移動平均線
29131.58 ボリンジャー:-1σ(13週)
28427.96 200日移動平均線
27337.03 ボリンジャー:-2σ(13週)
ローソク足は3本陰線を引いて黒三兵を示現して強い下押し圧力を窺わせた。終値は下向きに転じた25日移動平均線との下方乖離幅を広げるとともに、5日線が25日線を下回る短期デッドクロスを示現して下落局面入りを示唆した。一目均衡表では遅行線の弱気シグナル発生で三役好転が終了したこともあり、急速な地合いの悪化が推察される。ただ、本日まで5日連続安で1563.60円安と値幅が大きく短期的なリバウンド圧力も増している模様だ。
