4日ぶり反発 209ドル高、金利低下を好感

10日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前週末比209ドル52セント(0.6%)高の3万3944ドル40セントで終えた。

ダウは先週5~7日の3日間に終値で700ドル近く値下がりした。長期金利が急上昇したことで、株を保有する相対的なメリットが下がり、株安に拍車が掛かっていた。この日は値頃感や長期金利の低下を背景に、幅広い銘柄に買いが入った。
一方、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続観測で金利の先高観が根強い。一部のハイテク株には売りが出て、上値を抑えた。

目新しい取引の材料が少ないなか、景気敏感株と製薬株などには値ごろ感からの買いが入った。市場では「高値圏にあるハイテク株を売って、今年値上がりの目立っていない銘柄に資金を振り向ける動きが出ているようだ」との声が聞かれた。中小型株で構成する株価指数のラッセル2000は1%超上げた。

サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が10日の講演で、インフレ抑制のために年内あと2回の利上げが必要になるとの認識を示した。金利上昇への警戒からハイテク株には持ち高調整の売りが出た。主要なハイテク株で構成するナスダック100株価指数のリバランス(資産配分の調整)が決まり、年初から上昇の目立つ大型ハイテク株の売りを誘ったとの見方もあった。

12日には6月の消費者物価指数(CPI)が発表される。米国の金融政策の先行きを考える上で、物価動向を見極めたいとの雰囲気も強かった。14日にはJPモルガン・チェースやシティグループといった大手金融の決算発表がある。売買が一巡した後は、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。

ダウ平均の構成銘柄では、バイオ製薬のアムジェン、ホームセンターのホーム・デポが上げた。機械のハネウェル・インターナショナル、スポーツ用品のナイキも買われた。一方、通信のベライゾン・コミュニケーションズ、スマートフォンのアップル、保険のトラベラーズが安かった。

ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前週末比24.765ポイント(0.2%)高の1万3685.481で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コム、ネット検索のアルファベットが下落した。一方、新サービスの登録者数が増えている交流サイトのメタプラットフォームズは上昇した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

10日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比195円安の3万2270円で終えた。
NYダウは、先週の大幅な値下がりを受けた押し目買いが入り、4営業日ぶりに反発した。
同日の米株式相場は上昇したが、米金融引き締めが長期化するとの懸念から上値は重かった。この日は日経平均株価が下落しており、シカゴ市場の先物にも売りが優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)

32270 ( +130 )
 
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32320 ( +180 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7273.79(+16.85)

10日のFTSE100種総合株価指数は6営業日ぶりに反発した。前週末に比べ16.85ポイント(0.23%)高の7273.79で取引を終えた。アナリストが目標株価を引き上げたと伝わったエネルギー大手シェルが上昇。同業のBPにも買いが波及するなどエネルギーセクターの上昇が指数をけん引した。半面、中国の景気不安が強いなか、需要減速の懸念から資源セクターが売られ、上値は重かった。

FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手フラッター・エンターテインメントが3.20%高で上昇率トップ。建機レンタルのアシュテッド・グループが2.12%高、住宅大手パーシモンが1.91%高で続いた。
一方、オンライン食品販売大手オカド・グループは1.76%安、送電大手ナショナル・グリッドは1.04%安、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズは0.
98%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15673.16(+69.76)

10日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前週末に比べ69.76ポイント(0.45%)高の1万5673.16で取引を終えた。DAXは前週に週間で3%強下落しており、主力銘柄の一角に値ごろ感を意識した買いが入った。金融や資本財、ハイテクセクターが買われた。

個別では、防衛大手ラインメタルが2.93%高、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが2.02%高、コメルツ銀行が1.89%高と買われた。
半面、自動車部品大手コンチネンタルは1.17%安、電力大手RWEは1.13%安、エネルギー大手イーオンは0.80%安だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7143.69(+31.81)

フランスCAC40種指数は0.45%高だった。世界的な景気後退懸念から先週売られた旅行・レジャー関連株を中心に買い戻しが入った。

 

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