86ドル高と3日続伸、CPI伸び鈍化で利上げ長期化懸念和らぐ

12日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比86ドル01セント(0.3%)高の3万4347ドル43セントで終えた。12日朝発表の6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回った。インフレ抑制のために

米労働省が12日朝方公表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇と、2021年3月以来約2年ぶりに4%台を割り込む低水準となった。変動の激しい食品やエネルギーを除いたコア指数は4.8%上昇し、依然としてインフレが根強いものの、鈍化が確認された。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長期化するとの警戒が和らぎ、景気敏感や消費関連、ハイテク株などが買われた。

インフレ高止まりと利上げ継続への過度の懸念が和らぎ、米債券市場では長期金利が一時、前日比0.13%低い3.84%に低下した。米金利先物市場などでは7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げがほぼ織り込まれているものの、利上げは「7月が最後になるかもしれない」との見方が広がった。

ダウ平均は325ドル上げる場面があったが、引けにかけては伸び悩んだ。13日発表の6月の米卸売物価指数(PPI)や、今週末から発表が本格化する主要企業決算を見極めたい市場参加者が多かった。

金利低下で相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株が買われ、顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトが上昇した。金融のゴールドマン・サックスやホーム・デポなどの消費関連株の買いも目立った。

ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比158.264ポイント(1.2%)高の1万3918.963で終えた。昨年4月以来の高値。交流サイトのメタプラットフォームズのほか、エヌビディアなど半導体株の上昇が目立った。

S&P500種株価指数は前日比32.90ポイント(0.7%)高の4472.16と、昨年4月以来の高値を更新した。

 


【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比260円安の3万2035円で終えた。
インフレ鈍化を示す米経済指標を受け、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ局面の長期化観測が後退し、3日続伸した。
この日は米株式相場が上昇したものの日経平均株価は下落基調を保ち、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32035 ( +95 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32085 ( +145 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7416.11(+133.59)

12日のFTSE100種総合株価指数は大幅に3日続伸した。前日に比べ133.59ポイント(1.83%)高の7416.11で取引を終えた。イングランド銀行(英中央銀行)が12日公表した金融安定報告書で、ストレステストの結果を踏まえ、英国の主要銀行について「深刻なストレスでも家計と企業を支える能力がある」と判断した。英中銀のストレステストの結果公表を受け、銀行株に買い安心感が広がった。外国為替市場で主要通貨に対するドル安が進んだことなどから、非鉄金属相場が大幅高となっており、資源セクターにも買いが入った。

個別では、産銅大手アントファガスタが5.57%高で上昇率トップ。資源大手グレンコアが4.87%高、工業・電子製品大手RSグループが4.46%高、段ボール大手スマーフィット・カッパが4.41%高で続いた。
一方、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2.28%安、流通・アウトソーシング会社ブンズルは2.02%安、ロンドン証券取引所グループは0.22%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16023.00(+232.66)

12日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸した。前日に比べ232.66ポイント(1.47%)高の1万6023.00で取引を終えた。12日に発表された米国の6月の消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を下回り、インフレ圧力が緩和するとの期待が広がった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測が後退し、欧米の長期金利が低下したのも好感された。ハイテクや化学、消費財など幅広いセクターが買われた。

個別では、通販大手ザランドが10.51%高と急伸。不動産大手ボノビアは4.97%高、半導体大手インフィニオンは3.16%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズも2.84%高と買われた。構成銘柄のうち、ドイツ銀行が0.36%安と唯一マイナスだった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7333.01(+113.00)

フランスCAC40種指数は1.57%高だった。米国の利上げ長期化観測が後退。リスクオンの地合いとなり、資源や金融など景気動向に敏感な銘柄を中心に買いが膨らんだ。

 

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