13日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比47ドル71セント(0.1%)高の3万4395ドル14セントで終えた。
13日、朝方発表された6月の卸売物価指数(PPI)とコア指数は市場予想を下回る小幅な伸びにとどまった。
前日公表の消費者物価指数(CPI)だけでなく、この日も物価上昇圧力の鈍化が確認されたため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ局面が近く終わるとの期待が高まった。
ダウは取引序盤から買い安心感が広がる中、買い優勢で推移。今週低下基調となっている米長期金利を支援材料にハイテク株主導で強含みの展開を維持した。
PPIは前月比の伸び率が0.1%と5月(0.4%下落)から上昇に転じたものの、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.2%上昇)は下回った。12日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)もインフレ鈍化を示していた。
FRBは6月に公表した政策金利見通しで年内あと2回の利上げを示唆していたが、市場では「次回7月会合での利上げが最後になるとの見方がより強まった」との指摘があった。
買い一巡後にダウ平均は伸び悩んだ。前日までの3日間で600ドル超上昇していた。一部の銘柄には目先の利益を確定するための売りが出やすかった。
PPIを受け、米長期金利は前日比0.11%低い3.75%を付ける場面があった。金利低下で相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株が買われやすく、ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースが上昇した。米経済の先行き不安が薄れ、景気敏感株である工業製品・事務用品のスリーエムや建機のキャタピラーも上げた。
半面、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや保険のトラベラーズといったディフェンシブ株の一角には売りが出た。
午前発表された最新週の新規失業保険申請件数は2週ぶりの改善となり、労働市場の底堅さが示された。
S&P500種株価指数は前日比0.8%高い4510.04で終えた。4500を回復し、2022年4月以来の高値を付けた。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比219.607ポイント(1.6%)高の1万4138.570で終えた。1万4000を回復し、22年4月以来の高値を付けた。ネット検索のアルファベットや半導体のエヌビディアの上昇が目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比695円高の3万2730円で終えた。
NYダウは、インフレ圧力の鈍化を示す米経済指標を受け、利上げ局面長期化への警戒感が後退し、4日続伸した。
東京株式市場では日経平均株価が大幅反発したのもあり、シカゴ市場で日経平均先物が買われた。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7440.21(+24.10)
13日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日に比べ24.10ポイント(0.32%)高の7440.21で取引を終えた。13日発表の月次ベースの5月の英実質国内総生産(GDP)が前月比0.1%減と、市場予想ほど減少しなかった。金融引き締めが継続するなかでも、英経済が底堅いとの見方につながり、景気悪化への懸念が後退した。中国当局による景気刺激策への期待が高まっているのも投資家心理を押し上げた。資源や医薬品、商業サービスセクターが上昇した。
FTSEの構成銘柄では、医療機器会社コンバテックが2.88%高、資源大手グレンコアが2.47%高、賭け屋大手エンテインが2.24%高だった。
一方、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは2.62%安、住宅大手バラット・デベロップメンツは1.63%安、流通・アウトソーシング会社ブンズルは1.17%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16141.03(+118.03)
13日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸した。前日に比べ118.03ポイント(0.74%)高の1万6141.03で取引を終えた。13日発表の6月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を下回り、インフレ圧力が和らぐとの観測が強まった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化観測が一段と後退する中、欧米の長期金利が低下し、ハイテクセクターが上昇した。
利上げ長期化観測の後退で、景気悪化への懸念も薄らいでおり、金融や自動車など景気敏感銘柄も上昇した。
個別では、コメルツ銀行が2.98%高、半導体大手インフィニオンが2.26%高、業務用ソフトウエア大手SAPが1.94%高と買われた半面、商用車大手ダイムラー・トラックは0.91%安、化学大手BASFは0.65%安、医薬大手メルクは0.57%安で引けた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7369.80(+36.79)
フランスCAC40種指数は0.50%高だった。ユーロ圏域内の国債利回りの低下も株高を支援した。
