週明けのNY株式市場も相変わらずマチマチの展開。
NYダウは5日続伸。
4日連続で史上最高値を更新した。
背景は主要企業の好調な決算との解釈。
特にインドからの航空機受注観測からボーイングの上昇が目立った。
ホームデポやゴールドマンも上昇している。
主要500の第2四半期決算は前年同期比10.8%増益。
利益水準は切り上がってきている。
NYダウは7月月間で2.25%高で4カ月連続上昇。
一方で主力ハイテク銘柄には売り物が続きNASDAQ総合指数は3日続落。
アマゾン・ドットコム、グーグルの親会社であるアルファベットなどFAANG銘柄が安くハイテク株の重石となった。
「成長期待で上げていたハイテク株から、出遅れの目立っていた金融株に資金が移動」という指摘もある。
シカゴ購買部協会景気指数は58.9と市場予想(59.5)を下回って着地。
仮契約住宅販売指数の伸び率は市場予想を超えて着地。
ほとんど見向き去れない経済指標だった。
29日付の投資情報誌バロンズ電子版の特集は「VIXショートは危険なゲーム」。
歴史的に低水準にあるVIX(恐怖)指数が急騰するリスクを指摘。
「S&P500が3~4%下落局面では、VIX指数をショートにしているETFなどがポジションを手仕舞う必要に迫られる。
VIXがロケットのように急騰しかねない」というコメント。
これも未来の免罪符の一部だろうか。
原油先物は5月25日以来のバレル50ドル台。
国際商品の総合的な値動きを示すCRB指数もほぼ2カ月ぶりの水準まで上昇。
1日の個人消費支出とISM製造業景況感指数、4日に米雇用統計を控え債券市場は小動き。
オバマケアの見直しが難航。
減税などの経済政策が後回しになっていることや10日前に就任したばかりのスカラムッチ広報部長の解任報道。
これらを受けドルや対ユーロや対円で下落。
東証1部の売買代金が3兆円近くまで膨らんだのは月末要因と東芝とセイコーエプソンの入れ替え。
マインドが紅潮した訳ではない。
7月の日経平均株価は月間で104円の下落。
4ヵ月ぶりの下落となった。
7月の変動率は1.3%(上下270円)と1980年11月以来36年8ヵ月ぶりの低水準。
NYダウが2.4%、ドイツDAXが3.9%、韓国総合指数が3.0%。
確かに東京の膠着感が目立っている。
4~6月のGDPは2.6%増という民間予測。
そして日経朝刊1面では「上場企業7割が増益」の見出し。
進捗率は29%。
3月決算企業の33%、時価総額で42%の企業が通過した第一4半期決算。
経常利益は29%増。純利益は63%増。
製造業の純利益は82%増。
この現実が見えないフリというのが相場の弱さの根源だろう。
225先物大証夜間取引終値は日中比30円安の19910円と軟調。
25日線からは0.7%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損率速報で買い方はマイナス4.546%と悪化してきた。
空売り比率は40.7%と2日連続の40%越え。
4月20日の40.84%以来の水準まで上昇してきた。
「市場予想に届かなかった4~6月決算銘柄への日計り空売り増加」との解釈だ。
日経平均算出の除数は26.301→26.581に上昇。
期待感の低い8月初日。
月の初日は高いアノマリーは過去13か月連続。
綱引きは続く。
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乃村工芸(9716)・・・動兆
乃村工芸社に注目する。
同社はディスプレイ企画運営大手。
国内の大きなイベントや商業施設はほとんど手掛けている。
アパレル・ホテルなどが拡大。
業績は好調見通し。
伝統と未来がマッチした銘柄だ。
(兜町カタリスト櫻井)
