25日のNYダウ工業株30種平均は小幅ながら12日続伸し、前日比26ドル83セント(0.1%)高の3万5438ドル07セントで終えた。昨年2月以来、およそ1年5カ月ぶり高値を更新した。ダウ平均の12連騰は2017年2月以来、6年5カ月ぶり。
朝方に決算を発表した工業製品・事務用品のスリーエム(3M)などが上昇し、ダウ平均を支えた。ただ、26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて、引けにかけては伸び悩んだ。
2023年4~6月期決算と併せて23年12月期通期の1株利益見通しを引き上げた3Mが5%あまり上げた。1株利益が市場予想以上だった化学のダウや通信のベライゾン・コミュニケーションズも買われた。ハイテク株の上昇に出遅れていた景気敏感株全般に物色が盛んだった。
この日はマイクロソフトやグーグルを傘下に持つアルファベットが引け後に4~6月期の決算を発表する。業績への期待を背景にそれぞれ1.7%高、0.6%高で取引を終えた。「マイクロソフトの内容が良ければ、あす以降、他のクラウドやAI(人工知能)関連銘柄も含めて買われる」展開となりそうだ。
25日午前発表の7月の米消費者信頼感指数が117.0と市場予想(112.0)を大幅に上回って、2年ぶりの高水準となった。インフレに鈍化基調がみられる一方で、米景気が底堅さを保っている。米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待が一段と強まっているのも投資家心理を支えた。
FOMCでは2会合ぶりに0.25%の利上げを決めるとみられる。市場では7月に利上げした後、しばらく政策金利を据え置くとの見方が多い。米景気に対する楽観が強まるなか、年前半の株高に乗り遅れた機関投資家の買いが続いたとの指摘もあった。
ダウ平均は110ドルあまり上げる場面があったが、引け間際に上値が重くなった。前日までの11営業日で1600ドルあまり上昇した。FOMCの結果や声明、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見を見極めたいとして持ち高を傾けにくい雰囲気があった。
ダウ平均では保険のトラベラーズや製薬のメルク、金融のゴールドマン・サックスなどが下げた。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比85.689ポイント(0.6%)高の1万4144.555で終えた。引け後に決算発表するネット検索のアルファベット、26日に決算発表予定の交流サイトのメタプラットフォームズが高い。24日夕に発表した四半期決算が市場予想を上回ったオランダの車載半導体NXPセミコンダクターズが上昇し、半導体株が連れ高した。
S&P500種株価指数は前日比12.82ポイント(0.3%)高の4567.46と、昨年4月以来の高値で終えた。
【シカゴ日本株先物概況】
25日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比120円安の3万2595円で終えた。この日は米株式相場が上昇したものの、週内に日銀の金融政策決定会合などを控えて日経平均株価は上値の重さが目立ち、シカゴ市場の先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32595 ( -45 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32640 ( 0 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7691.80(+13.21)
25日のFTSE100種総合株価指数は6日続伸した。前日に比べ13.21ポイント(0.17%)高の7691.80と、連日で5月23日以来2カ月ぶりの高値で終えた。
中国政府による不動産セクターへの追加的な景気刺激策への期待が高まるなか、非鉄金属相場の上昇を受け、資源セクターに買いが入った。
FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが6.59%高と上昇率トップ。鉱業大手アングロ・アメリカンが4.83%高、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが4.73%高、日用品・食品大手ユニリーバが4.34%高で続いた。
一方、給食サービスのコンパス・グループは5.17%安、投資会社メルローズ・インダストリーズは2.74%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2.65%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16211.59(+20.64)
25日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ20.64ポイント(0.13%)高の1万6211.59で取引を終えた。24日夕に2023年12月期通期の営業損失が従来より縮小する見通しを発表したスポーツ用品大手のアディダスが前日比4%近く上昇した。中国政府による追加の景気刺激策への期待に加え、欧米の中央銀行が金融引き締めサイクルを近く終了するとの根強い見方も相場を支えた。
個別では、スポーツ用品大手アディダスが3.83%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが3.04%高、化粧品大手バイヤスドルフが2.31%高だった。
半面、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは7.03%安、航空機大手エアバスは2.45%安、コメルツ銀行は1.25%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7415.45(-11.86)
フランスCAC40種指数は0.16%安だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を翌日に控え、積極的な売買は見送られた。
