ダウ36年半ぶり13連騰、企業決算を好感

26日のNYダウ工業株30種平均は13日続伸し、前日比84ドル16セント高の3万5522ドル23セントで終えた。13連騰は1987年1月以来の長さ。
米連邦準備理事会(FRB)は26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の想定通り0.25%の利上げを決めた。パウエルFRB議長が記者会見で次回会合での政策金利を据え置く可能性に言及し、買いが優勢となった。

FRBは政策金利を0.25%引き上げ5.25~5.50%にすると決めた。インフレ率が目標の2%を上回る現状を踏まえ、一段の金融引き締めが必要と判断した。多くの市場参加者が見込んだ通りの結果で、発表直後の相場の反応は限られた。

パウエル議長の会見が始まるとダウ平均は上げ幅を拡大。前日に比べ200ドル近く上昇する場面があった。「今後の会合については何も決定していない」としつつも、物価指標など経済データ次第では「(次回の)9月会合で再び利上げする可能性もあるし、据え置きを選ぶ可能性もある」との認識を示した。米経済が底堅さを維持している点にも触れた。今回が今の利上げサイクルで最後の利上げになり、米経済が景気後退を回避できるとの期待が意識された。

ボーイングがこの日発表した4~6月期決算は赤字だったものの、フリーキャッシュフローが市場予想に反してプラスとなったことや、主力の「737」型機の生産ペースを引き上げる計画が好感され、8.7%上昇。ダウ全体を主導した。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、ネット検索のアルファベットも23年4~6月期決算が市場予想を上回り、株価が大幅高となった。

買い一巡後は上げ幅を縮めた。ダウ平均は前日までの12営業日で1700ドルあまり上昇した後で、利益確定売りが出た。

工業製品・事務用品のスリーエムや飲料のコカ・コーラが上昇した。半面、23年7~9月期の業績見通しがさえなかったソフトウエアのマイクロソフトが下落。建機のキャタピラーや石油のシェブロンにも売りが出た。

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比17.273ポイント安い1万4127.282で終えた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

26日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比65円安の3万2530円で終えた。
NYダウは、米企業の決算内容を好感した積極的な買いが入り、1987年1月以来36年半ぶりに13営業日続伸した。
反応は限られた。東京株式市場で日経平均株価が下落したこともあり、シカゴ市場で先物に売りが優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32530 ( -70 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32575 ( -25 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7676.89(-14.91)

26日のFTSE100種総合株価指数は7営業日ぶりに反落した。前日に比べ14.91ポイント(0.19%)安の7676.89で取引を終えた。26日発表した2023年1~6月期決算で、純利益が前年同期から大幅に減少し、市場予想も下回った英豪資源大手のリオティントが下落した。非鉄金属相場の下落による利益低迷が警戒され、ほかの資源銘柄にも売りが波及した。

一方、航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスが前日比21%高と急騰した。2023年12月期通期の利益見通しとフリーキャッシュフロー(純現金収支)見通しを従来予想から大幅に引き上げたのが好感された。資本財セクターの上昇が下支えし、下落幅は限られた。

FTSEの構成銘柄では、元政治家の口座閉鎖問題で経営トップが辞任した金融大手ナットウエストが3.74%安。資源株も振るわず、リオ・ティントは3.06%安、グレンコアは2.61%安、アングロ・アメリカンは2.23%安となった。
一方、オンライン食品販売大手オカド・グループは24.82%高と急騰。航空機エンジン製造のロールス・ロイスも21.19%高と大幅上昇した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16131.46(-80.13)

26日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに反落した。前日に比べ80.13ポイント(0.49%)安の1万6131.46で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を英国時間26日夕に控え、持ち高調整や利益確定目的の売りが出た。
前日に買われていたアディダスに売りが出た。小売りや自動車といった消費財のほか、テクノロジーセクターが売られた。

個別では、スポーツ用品大手アディダスが2.21%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが2.11%安、高級車メーカーのポルシェが2.07%安だった。
半面、ヘルスケア大手フレゼニウスは2.08%高、電力大手RWEは1.68%高、ドイツ銀行は1.36%高と買われた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7315.07(-100.38)

フランスCAC40種指数は1.35%安だった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えた警戒感も、株を売って当面の利益を確保する動きにつながった。

 

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