ダウ14日ぶり反落、米利上げ継続観測が再燃 

 

27日のNYダウ工業株30種平均は14営業日ぶりに反落し、前日比237ドル40セント安の3万5282ドル72セントで終えた。朝方は買いが先行したものの、次第に売り優勢に転じ、午後に下げ幅を拡大した。米経済の強さを背景に利上げが継続する可能性が意識された。米長期金利が大幅に上昇し、株式の相対的な割高感が出たとの見方も重荷となった。ダウ平均は前日まで13日連騰した後で、利益確定売りが広がった。

朝方発表された4~6月期の実質GDP(国内総生産)速報値は4四半期連続のプラス成長となり、伸び率は市場予想を上回る内容。前期比年率2.4%増と、23年1~3月期(2.0%増)並みになるとの市場予想を上回った。6月の耐久財受注は前月比4.7%増と市場予想(1.5%増)以上だった。リセッション(景気後退)回避に対する期待が高まった。

また、4~6月期の米企業の決算発表シーズンが本格化する中、特に注目される米IT大手数社の一つであるメタ(旧フェイスブック)が前日引け後に発表した決算は7四半期ぶりに増益を確保。午前のダウはリスク選好の動きが強まり、主にプラス圏で底堅く推移した。

米連邦準備理事会(FRB)は7月の会合を最後に利上げを停止するとの観測が、足元の株高を支える一因となってきた。だが、27日の市場では「これだけ米経済が強さを維持する環境で、FRBの利上げが終わったと判断するのは早計だ」との見方が次第に広がったという。

米長期金利は午後にかけて上昇幅を拡大し、一時は前日比0.15%高い4.02%を付けた。ダウ平均は前日までの13連騰で1800ドル近く上昇しており、金利上昇も利益確定売りを促すきっかけとなった。

ダウ平均は午後に売りが広がる前は、125ドル高となる場面があった。企業業績の改善への期待は相場を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、交流サイトのメタプラットフォームズは26日夕に市場予想を上回る23年4~6月期決算や7~9月期の売上高見通しを発表した。27日は大幅高となり、投資家心理を上向けた。

ナスダック総合株価指数は続落し、前日比77.175ポイント安の1万4050.107で終えた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

27日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比25円安の3万2505円で終えた。
NYダウは、前日までの13連騰を受けた米長期金利の上昇で利益確定の売りに押された。同日の米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが波及した。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32505 ( -415 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32560 ( -360 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7692.76(+15.87)

27日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ15.87ポイント(0.21%)高の7692.76と、5月23日以来約2カ月ぶりの高値で取引を終えた。前日の米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)や27日の欧州中央銀行(ECB)理事会を受けて、欧米の主要中央銀行による利上げの長期化観測が後退し、投資家心理の支えとなった。商業・専門サービスや消費者サービス、飲食料品・たばこといった消費関連銘柄や資本財セクターが上昇した。

FTSEの構成銘柄では、エネルギー小売り大手セントリカが7.54%高と上昇率トップ。情報サービス大手レレックスが4.68%高、ビジネス情報会社インフォーマが4.08%高で続いた。一方、保険会社セントジェームズ・プレイスは16.03%安と急落したほか、エネルギー大手SSEは5.87%安、金融大手バークレイズも5.28%安となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16406.03(+274.57)

27日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に反発した。前日に比べ274.57ポイント(1.70%)高の1万6406.03と、6月16日に付けた過去最高値を更新して取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が27日の理事会後の記者会見で、9月以降の金融政策方針について利上げも据え置きもありうると指摘。ECBが利上げを長期間継続するとの警戒感が後退した。テクノロジーやヘルスケアなど幅広いセクターが買われた。

個別では、半導体大手インフィニオンが5.56%高、セメント大手ハイデルベルクセメントが5.07%高、医療機器のザルトリウスが4.53%高だった。
半面、ドイツ銀行は3.34%安、自動車大手フォルクスワーゲンは2.06%安、電力大手RWEは1.82%安だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7465.24(+150.17)

フランスCAC40種指数は2.05%高だった。市場では利上げサイクル終了への期待が上回り、幅広い銘柄に買いが入った。

 

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