7日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前週末比407ドル51セント(1.2%)高の3万5473ドル13セントで終えた。
先週末に発表された7月の米雇用統計は労働市場の堅調さを示す内容だった。米国の利上げが続く中でも、「賃金の伸びが強く景気後退懸念は低下している」との見方が強まり、景気敏感株などに買いが入った。
米連邦準備制度理事会(FRB)高官による来年以降の利下げを示唆する発言も相場を支えた。ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は7日付の米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、FRBがインフレの継続的な鈍化を確認できれば、「来年に名目金利を引き下げることが自然だ」と指摘。金融引き締め策の転換と受け取れる内容に好感が広がった。
利下げが米景気を支えると期待され、ダウ平均の上げ幅は一時430ドルに達した。
ダウ平均は前週末までの3営業日で560ドルあまり下落した。これまでの上昇局面で買い遅れていた投資家が押し目買いを入れやすかった面もある。企業業績が改善するとの期待も引き続き支えとなった。バイオ製薬のアムジェンは前週末の5%高に続いて4%高で終えた。3日に発表した四半期決算が市場予想を上回ったのを好感した買いが続いた。
このほかの個別では、航空機のボーイングや医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンが上昇した。半面、スマートフォンのアップルと工業製品・事務用品のスリーエムが下落した。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前週末比85.160ポイント(0.6%)高の1万3994.398で終えた。ネット検索のアルファベットが上昇した。最高財務責任者(CFO)の退任を明らかにした電気自動車のテスラは下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比425円高の3万2405円で終えた。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続観測が後退し、ハイテクが買い戻され、7日の米株式相場が上昇した。シカゴ市場でも日経平均先物に買いが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7554.49(-9.88)
7日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前週末に比べ9.88ポイント(0.13%)安の7554.49で取引を終えた。原油など商品相場の上昇が一服しており、前週末に上昇していたエネルギーや資源など商品関連銘柄に利益確定目的の売りが出た。
FTSEの構成銘柄では、投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが2.23%安、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが2.02%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが1.87%安だった。
一方、投資会社メルローズ・インダストリーズは2.61%高、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは1.45%高、航空・防衛大手BAEシステムズは1.39%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15950.76(-1.10)
7日のドイツ株価指数(DAX)はほぼ横ばい。前週末に比べ1.10ポイント(0.01%)安の1万5950.76で取引を終えた。7日発表の6月のドイツ鉱工業生産指数が前月比1.5%低下と、市場予想を大幅に下回った。同国製造業の不調への懸念が相場の重荷だった。自動車や小売り、ヘルスケアセクターが売られた。半面、7日の米ダウ工業株30種平均が堅調に推移すると、投資家心理が持ち直し、引けにかけて下げ幅を縮小した。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが6.14%安と急落したほか、コメルツ銀行が3.56%安、医療機器のザルトリウスも2.94%安と売られた。半面、防衛大手ラインメタルは1.96%高、製薬大手バイエルは1.45%高、化学品商社ブレンタークは1.16%高だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7319.76(+4.69)
フランスCAC40種指数は0.06%高だった。
主要な経済指標の発表がなく、全体としては動意に欠ける展開となった。
