103円高と続伸 米株高や円安で

 
8日午前の日経平均株価は続伸した。前引けは前日比103円54銭(0.32%)高の3万2358円10銭だった。
買い一巡後は伸び悩む展開。米利上げに対する警戒感が後退したことから前日のNYダウは407ドル高と4日ぶりに反発した。これを受け、東京株式市場も買い先行の動きとなり、日経平均株価は前日比で280円を超す上昇となる場面があった。海運や電力・ガス、機械、鉄鋼など幅広い業種が上昇した。しかし、日経平均株価が3万2500円を超えた水準では利益確定売りも膨らみ、前引けにかけて上昇幅を縮小させた。
 
前週末にかけて日経平均は大幅に下落していたとあって、5日移動平均(3万2558円)が上値メドとして意識された。朝方発表の6月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は物価変動の影響を除く実質で前年同月比4.2%減少となった。減少は4カ月連続。市場では「足元の企業決算は好調なものが目立つ一方、内需の先行きは楽観視できない。目先はレンジ相場となりそう」との声があった。
 
日本では本日午前に発表された毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年同月比-1.6%と、前月(-0.9%)から減少率が拡大し、市場予想(-0.9%)よりも大幅な減少率となった。また、現金給与総額は同+2.3%と18カ月連続で増加したものの、伸び率は市場予想(+3.0%)を下回った。これが日銀の金融緩和を長期化させる思惑を強めることになれば、国内長期金利の上昇圧力が和らぎ、日本独自の株安要因も弱まりそうだ。
 
日米長期金利の上昇圧力がくすぶるなか、ハイテク・グロース(成長)株の上値は重い展開が予想される。一方、市況関連などのバリュー(割安)株が相対的に優位な展開が当面続きそうだ。

 


 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9565億円、売買高は7億4320万株だった。東証株価指数(TOPIX)は続伸した。JPXプライム150指数も続伸し、前引け時点で2.43ポイント(0.24%)高の1030.30だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1020。値下がりは750銘柄、変わらずは63銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、海運業、食料品、不動産業などが上昇。下落は保険業、精密機器など。
 
個別銘柄では、三菱重工業やダイキン工業が高く、日本郵船や川崎汽船が堅調。決算発表を受けレーザーテックが高く、ソフトバンクグループや三菱商事、明治HD、キッコマンが値を上げた。上半期が下振れ着地となったスペースのほか、業績上方修正がなかったことが失望されたLIFULL、好決算ながらも出尽くし感が先行したUアローズ、第1四半期の低進捗が嫌気された日本製紙、カチタス、ARMなどが急落した。
 
 
半面、アドバンテストやソシオネクストが安く、トヨタ自動車や日本製鉄が軟調。任天堂や東京海上ホールディングス、シャープ、ZHDも値を下げた。
レーザーテックは4-6月期受注の上振れが好感されて買い優勢。決算関連では、業績予想を上方修正したティラド、イトーキ、フジテック、第1四半期が好スタートとなったSANKYO、コムシスHD、丸一鋼管、昭和産業が急伸した。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次