135円安と反落、買い手控えムードが強く

9日午前の日経平均株価は反落し、前日比135円66銭(0.42%)安の3万2241円63銭で前場を終えた。
 
きょう前場は買い手控えムードが強く、日経平均は3万2000円台前半で軟調に推移した。前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落したことや、あすにオプションSQ算出を控え、積極的な買いが入りにくかった。
ただ、下値も限定的で、外国為替市場で円安基調にあることを追い風に、日経平均は朝安後に下げ渋り小幅ながらプラス圏で推移する場面もあった。なお、売買代金が2兆円台に乗せるなど商いは高水準だった。
 
ダイキンやソフトバンクグループ(SBG)など値がさ株の一角が決算発表を受けて下落し、相場を押し下げた。前日の欧米株式相場の下落も重荷だった。もっとも、日経平均の下値は堅く、小幅ながら上昇に転じる場面もあった。
 
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが一部の米地方銀行を格下げし、前日の米国株が下げた流れを受け、日本株にも売りが先行した。
ただ、日経平均は朝方に150円ほど下げた後は底堅く推移した。国内外で長期金利の上昇が一服し、高PER(株価収益率)の半導体関連などが買い直された。海外勢を中心に夏季休暇に入る投資家も増えているとみられ、持ち高を一方向に傾ける展開にはなりにくかった。
 
前日の米国市場では長期金利が低下しているなかでも株式は総じて軟調で、主要株価指数の下落率は一時1%を優に超えて推移する場面があった。また、ダウ平均を除けば、S&P500種株価指数、ナスダック指数、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)などの株価指数は揃って前日に25日移動平均線を割り込んできている。
 
8月は海外投資家の夏休み入りで売買が細りやすい傾向があるうえ、株式市場が下落しやすい季節性もかねてから指摘されている。5月以降、相場をけん引してきた時価総額の大きい大型株などはしばらく上値の重い展開が予想される。目先は出遅れ感や割安感が残る中小型株のほか、中国人の旅行需要というカタリストが意識されはじめたインバウンド関連などに妙味がありそうだ。
 
 


 
東証株価指数(TOPIX)は9.38ポイント安の2282.35と反落して午前の取引を終えた。JPXプライム150指数は反落し、前引けは前日比2.56ポイント(0.25%)安の1028.38だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆304億円、売買高は8億612万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1098と、全体の6割だった。値上がりは667銘柄、変わらずは70銘柄だった。

業種別株価指数(33業種)は鉱業、機械、銀行業、証券・商品先物取引業などが下落。上昇は、空運業、陸運業など。
 
個別では、ソフトバンクグループが安く、ダイキン工業が大幅安。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも下落した。キリンホールディングス、川崎重工業なども値を下げた。三菱製鋼、NTTデータ、テルモ、オリンパス、ニコンなどが急落した。
 
半面、レーザーテックが高く、アドバンテスト、ソシオネクストなど半導体関連は総じて堅調。ファーストリテイリングも買いが優勢。バンナムHD、横河電、アシックスが物色人気。ミズノが値上がり率トップに買われ、大阪ソーダはストップ高となった。

 

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