9日午前の日経平均株価は反発し、前日比508円49銭(1.61%)高の3万2149円76銭で終えた。
前日のNYダウは168ドル高と3日続伸。米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことから米長期金利が低下し、ハイテク株を中心に買いが流入した。これを受け、東京株式市場は値を上げてスタート。6月物限の株価指数先物・オプションの清算値を決める「メジャーSQ」を通過したことで買い安心感も広がり、日経平均株価の上昇幅は500円を超えた。半導体関連などハイテク株や銀行、商社など幅広い業種が買われた。
日経平均は前日までの2日間で860円ほど下げていた。9日は前場で大きく反発し、上げ幅は600円に迫る場面もあった。市場では「SQ後に相場が下落するとみていた向きが前々日あたりから売りを出していたが、想定よりも相場が強く買い戻しを迫られた」との見方があった。
日経平均の指数寄与度の高いファストリが上げた。総合商社株にも買いが目立った。
日本取引所グループ(JPX)が8日に公表した投資部門別売買動向によると、外国人投資家は5月第5週(5月29日-6月2日)、現物で5298億円の買い越しと10週連続の買い越しを見せた。買い越し幅は前の週の4096億円から増加した。将来の反対売買を伴わない現物による買い越し記録が長期化しているあたり、日本株を巡る構造変化への期待は引き続き高いようで、日経平均は目先の天井を打ったとしても、下値も堅そうだ。
東証株価指数(TOPIX)も反発した。午前終値は前日比27.39ポイント(1.25%)高の2218.89だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆5741億円、売買高は8億8647万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1546、値下がりは230銘柄、変わらずは58銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では卸売業、医薬品、電気・ガス業などが上昇。海運業、空運業、鉱業などは下落した。
個別銘柄では、アドバンテストやレーザーテック、東京エレクトロンが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループや三菱商事、ダイキン工業が買われた。第一三共、マツダが上昇した。
半面、三菱重工業や商船三井、日本郵船、川崎汽船の海運のほか、ソフトバンクG、三菱重、川崎重、JR東海、JR東が軟調。積水ハウスが安い。NTN、シャープは下落した。
