5日続伸189ドル高、利上げ見送りの観測

12日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前週末比189ドル55セント(0.6%)高の3万4066ドル33セントで終えた。4月28日以来の高値。米連邦準備理事会(FRB)が13~14日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方が根強い。このため景気後退懸念が和らぎ、景気敏感株に買いが入った。

14日には、FOMC参加者の政策金利予測を示した分布図「ドットチャート」が公表される予定。3月の政策会合でまとめたドットチャートによると、今年末の政策金利の中央値は5.125%。年内は利上げが見送られるとの観測がある中、「市場の楽観論をけん制するためハト派的な内容にはならない」との見方が広がる。中央値が引き上げられる可能性があり、相場にも一定の影響を与えそうだ。

また、ニューヨーク連銀が12日に公表した5月の消費者調査によれば、1年先の期待インフレ率は4.1%と2021年5月以来の低水準だった。期待インフレの上振れ懸念が薄れ、FRBが13~14日のFOMCで政策金利を据え置くとの観測が一段と強まった。13日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)も上昇率が4月に比べて減速すると予想されている。

利上げの継続で景気が冷え込むとの警戒感は和らいでおり、航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株の上昇が目立った。半導体のインテルも大幅高だった。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトも上昇した。

半面、石油のシェブロンは下落した。原油先物相場が大幅に下落し、収益への影響が懸念された。プロクター・アンド・ギャンブルや製薬のメルクなどディフェンシブ株も下げた。

ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前週末比202.778ポイント(1.5%)高の1万3461.921で終えた。22年4月以来の高値。交流サイトのメタプラットフォームズが上昇。電気自動車のテスラは12日続伸した。

S&P500種株価指数は3日続伸し、前日比0.9%高の4338.93で終えた。節目の4300を上回り、22年4月以来の高値となった。

 


【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比350円高の3万2675円で終えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が今週開く金融政策会合で利上げを見送るとの観測が相場を下支えし、NYダウは5営業日続伸した。投資家心理が強気に傾き、日経平均先物にも買いが優勢だった。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7570.69(+8.33)

12日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前週末に比べ8.33ポイント(0.11%)高の7570.69で取引を終えた。前週末に下げた銘柄を中心に値ごろ感からの買いが入った。外国為替市場で、対ドルで英ポンドの下落が進んだのも、輸出関連銘柄を支えた。医薬品や消費財が上昇した。

個別では、オンライン食品販売大手オカド・グループが3.62%高で上昇率トップ。特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが3.19%高、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが3.11%高、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンが2.82%高で続いた。一方、産金大手フレスニロは4.22%安、通信大手ボーダフォンは2.71%安、物流施設大手セグロは2.65%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16097.87(+148.03)

12日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前週末に比べ148.03ポイント(0.93%)高の1万6097.87と、5月23日以来約3週間ぶり高値で終えた。米株式相場の上昇が続いており、投資家心理が上向いた。消費財が高い。前週末に売られていた化学やヘルスケアも買い直され、幅広いセクターが上昇した。

個別では、アナリストによる投資判断の引き上げが伝わったスポーツ用品大手のアディダスが5.53%高となったほか、防衛大手ラインメタルが3.58%高、医療機器のザルトリウスが2.71%高だった。

半面、ヘルスケアのフレゼニウスは1.51%安、香料大手シムライズは0.87%安、不動産大手ボノビアは0.64%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7250.35(+37.21)

フランスCAC40種指数は0.52%高だった。フランス市場ではLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)など高級ブランドが買われた。

 

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