13日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸し、前日比145ドル79セント(0.4%)高の3万4212ドル12セントで終えた。2月13日以来4カ月ぶりの高値。
米労働省がこの日発表した5月のCPIは前年同月比4.0%上昇。伸びは11カ月連続で鈍化し、2021年3月以来約2年ぶりの低水準となった。13、14両日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で11会合ぶりに金利が据え置かれるとの見方が強まり、市場に安心感が広がった。
食品とエネルギーを除くコア指数も市場予想並みの5.3%上昇となり、前月の5.5%から伸びが鈍った。「FRBは6月の会合で利上げを見送る。株式市場に優しい内容だった」と受け止められた。ダウ平均の上げ幅は一時200ドルを超えた。
米国の利上げ停止は近いとの見方が広がり、米景気の先行きに対する懸念が後退した。中国の景気刺激策への期待もあって、景気敏感株に買いが入りやすかった。建機のキャタピラーが3%高となり、化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も高い。米原油先物相場が上昇し、石油のシェブロンも上昇した。
ダウ平均は買い一巡後は伸び悩んだ。前日までの5営業日で500ドルあまり上昇しており、主力株の一部には利益確定売りも出やすかった。14日のFOMC後に公表される参加者らの政策金利見通し(ドットチャート)やパウエルFRB議長の会見で、今後の金融政策を探りたい投資家も多く、積極的な買いが見送られた面もあった。個別銘柄では顧客情報管理のセールスフォースやクレジットカードのビザが安い。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比111.400ポイント(0.8%)高の1万3573.321で終えた。連日で昨年4月以来の高値を更新。電気自動車のテスラは13日続伸した。画像処理半導体のエヌビディアや動画配信のネットフリックスの上昇が目立った。
S&P500種株価指数は4日続伸し、前日比30.08ポイント(0.7%)高の4369.01で終えた。連日で昨年4月以来の高値となった。
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比740円高の3万3415円で終えた。5月の米消費者物価指数(CPI)の伸び悩みを受けて米連邦準備理事会(FRB)による利上げ見送り観測が強まり、13日のNYダウは上昇した。東京株式市場では日経平均株価が33年ぶり高値を更新したのもあり、日経平均先物に買いが入った。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7594.78(+24.09)
13日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ24.09ポイント(0.32%)高の7594.78で取引を終えた。中国人民銀行(中央銀行)が13日、短期金融市場への資金供給の金利を引き下げた。中国による景気刺激策への期待が強まるなか、中国需要の回復観測を支えに原油や非鉄金属など商品相場が上昇しており、エネルギーや資源に買いが入った。銀行セクターも上昇した。
個別では、資源大手グレンコアが5.28%高で上昇率トップ。このほか、アントファガスタが3.54%高、アングロ・アメリカンが2.75%高、リオ・ティントが2.66%高と資源株が上位を占めた。一方、ディフェンシブ銘柄は売られ、自動車保険のアドミラル・グループは5.11%安、住宅大手パーシモンは4.38%安、物流施設大手セグロは3.70%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16230.68(+132.81)
13日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ132.81ポイント(0.83%)高の1万6230.68と、5月19日以来約3週間ぶり高値で終えた。5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を受け、米連邦準備理事会(FRB)が13~14日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの見方が強まった。13日の米株式相場が上昇しており、運用リスクを取りやすい雰囲気が広がった。自動車や小売りなどの消費財のほか、資本財やテクノロジーなど幅広いセクターが上昇した。
個別では、素材化学大手コベストロが2.83%高、通販大手ザランドが2.59%高、スポーツ用品大手アディダスが2.35%高。半面、不動産大手ボノビアは1.70%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは0.80%安、香料大手シムライズは0.61%安と下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7290.80(+40.45)
フランスCAC40種指数は0.57%高だった。
14日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送りがほぼ確実になったと受け止められ、景気敏感株を中心に買いが膨らんだ。
