21日午前の日経平均株価は続伸し、前日比134円62銭(0.40%)高の3万3523円53銭で終えた。
朝方に売りが先行したが、その後は主力株中心に根強い買いが入り、日経平均はその後一貫して戻り足となった。前日の欧米株市場がほぼ全面安商状となり、パウエルFRB議長の議会証言を控え、きょうは上値の重さが意識されやすいところ。外国為替市場でもドル安・円高傾向となるなかリスク回避ムードは拭えなかったが、引き続き海外投資家を中心に押し目には高水準の買いが観測される状況だった。
米著名投資家のウォーレン・バフェット氏による商社株への投資や東証の低PBR(株価純資産倍率)改善要請などで海外投資家の目が日本株に向かうなか、日経平均の先高観は強く堅調に推移した。
きょう夜に予定されるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言の内容を見極めたいとの見方から、前日の米国株は売りが優勢だった。ダウ工業株30種平均は前週末比0.7%下げた。東京株式市場でも朝方は主力銘柄を中心に売りが目立ったが、その後は買い優勢となった。空運株や保険株、鉄鋼株などが高かった。
きょう株主総会のソフトバンクグループ(SBG)は一時4%ほど上げたが、その後は伸び悩んだ。市場では「投資家が期待するような人工知能(AI)を活用した具体的なビジネスの話は乏しかった」との見方も出ていた。
日経平均は米国株の下落を横目に、朝方の下落スタート後は大きく切り返して安値から400円近くも上昇するなど、非常に強い動きを見せている。週前半は久々に軟調な展開となり、さすがに上昇一服かと思われたが、どうやら外国人投資家の買い意欲はまだまだ健在のようだ。
ただ、米国株についてはクアドラプル・ウィッチングを通過した直後の今週の動きが重要で、米株の動向次第では、日本株も無傷でいられるとは考えにくい。米株が崩れたとしても、相対感でみた際の日本株の堅調さは続くだろうが、指数への影響力が大きい値がさ株や大型株などの上値追いには慎重になるべきタイミングと考える。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9028億円、売買高は6億2345万株だった。東証株価指数(TOPIX)は反発した。東証プライムの値上がり銘柄数は1356と7割を超えた。値下がりは419銘柄、変わらずは58銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では空運業、保険業、水産・農林業の上昇が目立った。下落は精密機器、石油・石炭製品など。
個別では、売買代金トップに躍り出たソフトバンクグループが上昇したほか、ソシオネクストも商いを伴い高い。アドバンテストも買いが優勢。日本航空も強い動き。三菱商、東京海上、高島屋、SMCも買われた。コニシが急騰、雪国まいたけも値を飛ばした。ダイコク電機も大幅高。サイバー、資生堂、太平洋セメが上昇した。
半面、トヨタ自動車が冴えず、ソニーグループも軟調。さくらインターネットも利益確定売りに押された。信越化、HOYA、トヨタが安かった。三栄建築設計が大幅安、JNSホールディングスも利食われた。
