今週は、軟調展開となった。
前週末の米国株安が嫌気され、日経平均は週明け19日に300円を超える下落。20日、21日は連日で上昇したが、22日は半導体株が下げを主導して300円を超える下落となった。この日に足元で人気化していたソシオネクストがストップ安まで売られたほか、新興グロース株にも大きく売られる銘柄が多かったことから、市場は相場の変調を意識した。23日は買いが先行したものの失速して下げに転じると、売りが加速して400円を超える下落。節目の3万3000円を大きく割り込んだ。
日経平均は週間では約924円の下落となり、11週ぶりに反落。週足でも11週ぶりに陰線を形成した。
来週(26-30日)の日経平均株価の年金などの月末リバランス(資産の再配分)売りが警戒される一方、調整を狙って買い遅れた向きの押し目買いが期待される。
6月最終週で金曜30日が月内最終日。5月最終日の5月31日が440円安(3万0887円)と大きく下げたことは記憶に新しい。今振り返ればこの時の下げは買い場であったわけだが、下げの特異日かもしれない日を週末に控える中では、腰の入った買いは期待しづらいだろう。
国内最大の年金資金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は保有する金融資産に占める日本株の比率の目安を25%としており、直近までの株価上昇によってオーバーした分を処分する必要がある。大和証券では日経平均が高値を形成する過程にあった14日時点で、GPIFの日本株ウエートが27.4%に高まっていたと推計(16日付リポート)。
国内年金は外国人とは対照的に売り越しを続けてきたものの、その余地はGPIFに国家公務員共済連合会などの3共済を合わせて依然「3.7兆円かそれ以上」だと指摘している。米国など海外の年金も同様の調整に動いている可能性があり、特に6月末に大規模なリバランスが生じるとみられている。
ただ、これまでの急激な上昇に取り残されてきた投資家は少なくない。リオープン(経済活動再開)に加え、企業のガバナンス改革が進むなど、日本株を取り巻くファンダメンタルズは変わっていない。今後も年金の売りが上値の重荷として意識される一方、円安も輸出企業の業績に有利に働く中で下値の買いニーズは強いと考えられる。
■上値・下値テクニカル・ポイント(23日現在)
35848.91 ボリンジャー:+3σ(13週)
35238.63 ボリンジャー:+3σ(25日)
34868.99 ボリンジャー:+3σ(26週)
34207.60 ボリンジャー:+2σ(25日)
33951.12 ボリンジャー:+2σ(13週)
33347.83 6日移動平均線
33176.57 ボリンジャー:+1σ(25日)
33174.23 均衡表転換線(日足)
32798.35 ボリンジャー:+2σ(26週)
32781.54 ★日経平均株価23日終値
32506.78 新値三本足陰転値
32165.52 均衡表基準線(日足)
32145.54 25日移動平均線
32053.33 ボリンジャー:+1σ(13週)
31114.51 ボリンジャー:-1σ(25日)
31007.28 均衡表転換線(週足)
30727.70 ボリンジャー:+1σ(26週)
30155.54 13週移動平均線
30083.48 ボリンジャー:-2σ(25日)
29717.39 均衡表基準線(週足)
29681.15 均衡表雲上限(日足)
29630.41 75日移動平均線
29052.44 ボリンジャー:-3σ(25日)
28778.75 均衡表雲下限(日足)
28657.06 26週移動平均線
28257.75 ボリンジャー:-1σ(13週)
28172.90 200日移動平均線
下降2日目の5日移動平均線や節目の3万3000円を下回り、ローソク足は大陰線で終了。パラボリックが売りサインを点灯し短期下落トレンドの開始を示唆した。週足では11週ぶりの陰線を引き、今週陰線の胴体部分が前週陽線の胴体部分の大半を覆う「かぶせ線」で下落基調への転換を示唆しており、来週への調整圧力の持ち越しが警戒される。
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