64円高と反発 海運や化学に買い

 
26日午前の日経平均株価は反発し、前引けは前週末比64円70銭(0.20%)高の3万2846円24銭だった。
朝方売り優勢で始まった。前週末の欧米株市場が軒並み売られたことを受けてリスク回避ムードが強まったが、押し目買い需要は旺盛でその後は急速に水準を戻し、取引中盤に上昇に転じている。海運株などが買われたほか、半導体セクターの素材関連に投資資金が流入し、全体相場を押し上げている。
外国為替市場で1ドル=143円台半ばとドル高・円安水準で推移していることや、米株価指数先物が堅調な値動きとなったことを横目に投資家の不安心理が後退した。東証の業種別では海運や化学、鉄鋼などへの買いが目立った。
 
週明けの東京株式市場では日経平均が寄り付き直後に一時400円近く下落したが、すぐに切り返してプラス圏に浮上するなど底堅い動きを見せている。地政学リスクを口実とした短期筋の売りが早々に買い戻されたもようだ。先週末にかけて需給悪化を想定した先回りの売りで日経平均は3万3000円を一気に割り込んでいた。これに続こうとした悪い流れを早々に断ち切ろうとする前場の底堅い動きは日本株の先高観が依然として根強いことを示唆しており、ポジティブな印象を受ける。
 
一方、月末にかけては年金基金のリバランス(資産配分の調整)目的の売りがまだ実際に発生する余地が残されている。また、今四半期における日本株の上昇率は記録的な大きさになっていることから、そのリバランス売りの規模の大きさも懸念され、目先は上値追いや押し目買いには慎重になるべきだろう。
 

 



東証株価指数(TOPIX)は反発した。午前終値は前週末比3.60ポイント(0.16%)高の2268.33だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7690億円、売買高は6億3478万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は991と、全体の5割強を占めた。値下がりは768銘柄、横ばいは73銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では海運業、化学、鉱業などが上昇。電気・ガス業、医薬品、銀行業などは下落した。
 
個別では、アドバンテストが朝安後にプラス圏に切り返し、トヨタ自動車も堅調。商船三井など海運株に買いが集まった。SUMCO、信越化学工業なども買いが優勢。NTTも頑強な値動き。大阪有機化学工業、東京応化工業が急騰、トリケミカル研究所も値を飛ばした。JSRは大量の買い注文に値がつかず、ストップ高カイ気配。安川電やニコンが買われた。
 
半面、売買代金断トツのレーザーテックが軟調、ソシオネクストも続急落となったほか、丸紅など総合商社株も冴えない。東電HDや東ガス、三越伊勢丹は売られた。愛知時計電機、テスホールディングスが大幅安に売られた。

 

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