26日のNYダウ工業株30種平均は6日続落し、前週末比12ドル72セント安の3万3714ドル71セントで終えた。
米国の利上げ継続観測などからハイテク株の一角に売りが出た。一方で、このところ下げが目立っていた景気敏感株や消費関連株には値ごろ感からの買いが入り、ダウ平均の下げ幅は限られた。
英国やスイスなど先進国で相次ぐ利上げに伴う景気後退懸念がくすぶる中、ダウ平均はもみ合いで始まった。その後は上昇基調を続けたものの、引けにかけて下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が来月下旬に開催する金融政策会合に先立って公表される雇用統計などの経済指標を見極めたいとの思惑が広がり、積極的な取引は行われなかった。
米国の利上げ継続観測が強まっており、景気悪化懸念が広がっている。前週末までは景気敏感株や消費関連の持ち高を減らす動きが続いていたが、26日は最近までの相場上昇をけん引してきたハイテク株への売りが出た。一部の大型ハイテク株には買われ過ぎとの指摘も出ており、売りが目立った。
一方、市場では「景気敏感株には出遅れ感があり、買い直す動きが出ている」との見方があった。ダウ平均の構成銘柄では、建機のキャタピラーやスポーツ用品のナイキなどが買われ、相場を下支えした。ダウ平均は100ドル近く上昇する場面があった。
28日には欧州中央銀行(ECB)主催の金融シンポジウムでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が日米欧の中銀トップとのパネル討議に参加する。発言内容を見極めたいとの雰囲気もあり、相場全体の動きは小さく、持ち高調整の動きが続いた。
個別では、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップル、製薬のアムジェンとメルクが下げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前週末比156.738ポイント(1.2%)安の1万3335.778で終えた。アナリストが投資判断を引き下げた電気自動車のテスラとネット検索のアルファベットが下げた。半導体のエヌビディアは4%安だった。
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比60円安の3万2575円で終えた。
NYダウは、世界的な金融引き締めへの警戒感が広がる中、6営業日続落した。
同日の米株式市場で上昇基調にあったハイテク株が売られた。投資家心理が弱気に傾き、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7453.58(-8.29)
26日のFTSE100種総合株価指数は6日続落した。前営業日に比べ8.29ポイント(0.11%)安の7453.58と約1カ月ぶりの安値で取引を終えた。高インフレへの懸念が続く中、イングランド銀行(英中央銀行)による金融引き締め継続が英経済を悪化させるとの観測が強い。医薬品や日用品、公益事業などディフェンシブ銘柄の下落が目立った。
FTSE100の構成銘柄では、通信大手ボーダフォンが3.62%安と最も大きく売られた。航空・防衛大手BAEシステムズは2.07%安、大衆医薬品のヘイリオンは1.77%安、投資会社メルローズ・インダストリーズは1.34%安だった。
一方、流通大手セインズベリーは2.60%高、住宅大手バークリー・グループは1.96%高、小売り大手JDスポーツファッションは1.95%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15813.06(-16.88)
26日のドイツ株価指数(DAX)は6日続落した。前営業日に比べ16.88ポイント(0.11%)安の1万5813.06と、約1カ月ぶりの安値で取引を終えた。ドイツIfo経済研究所が26日発表した6月の企業景況感が市場予想を下回った。前週末には6月のドイツ購買担当者景気指数(PMI、速報値)も市場予想を下回るなど、低調な結果が続いた。ドイツ経済の減速懸念が投資家心理の重荷だった。
ヘルスケアや消費財、テクノロジーの一角が売られた。半面、相場下落が続いているため、値ごろ感を意識した買いも入り、下値は堅かった。
個別では、防衛大手ラインメタルが4.18%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.05%安、ヘルスケアのフレゼニウスが1.79%安となった。半面、通販大手ザランドは1.88%高、商用車大手ダイムラー・トラックは1.43%高、化学大手BASFは1.30%高で引けた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7184.35(+20.93)
フランスCAC40種指数は0.29%高だった。
防衛関連株を中心に売りが膨らんだ。
