252円安と続落、利食い優勢

27日午前の日経平均株価は続落し、前日比252円11銭(0.77%)安の3万2446円70銭で前場を終えた。下げ幅が400円に迫る場面もあった。
 
きょうはリスク回避の売りが続いた。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開だったが、米国株市場ではハイテク株中心に売り優勢に傾き、NYダウが小幅ながら6日続落、ナスダック総合株価指数も続落で下落基調を強めている。これを受け東京株式市場でも投資家のセンチメントが冷やされ、利益確定を急ぐ動きが全体株価に反映された。値下がり銘柄数はプライム市場全体の7割を占めている。日経平均は25日移動平均線とのプラスカイ離をほぼ解消する場面があった。
 
前日に米株式市場でハイテク株の一角が売られた流れが東京市場に波及し、成長(グロース)株の一角が売られた。
生成AI(人工知能)開発に利用される画像処理半導体(GPU)を手掛ける米エヌビディア株が大幅安となり、東京株式市場でも生成AI関連とされるアドテストなどに売りが目立った。
 
今週は月末で四半期末とあって、年金基金などがリバランス(資産の再配分)による売りを出し需給が悪化するとの警戒も広がった。
 
半面、4月からの大幅な相場上昇を受け、押し目買いの機会を待つ投資家も少なくない。下落した場面では買いが入り、日経平均は下げ渋る場面もあった。
 
先物・オプション取引の決済期日が重なるクアドラプル・ウィッチング通過後は、米株式市場でも記録的な上昇率を見せていたナスダック総合指数を中心に利益確定売りが続いている。
 ただ、どちらもこれまでの株価上昇率を考えれば、四半期末に伴う利益確定売りはあくまで想定内の範囲内であり、足元の株価下落を悲観的に捉えている向きは少ない。日経平均やナスダック指数など主要株価指数については、25日移動平均線が依然として下値支持線として機能していることもあり、まだトレンドは上向きのままだろう。本日の日経平均については、前場中ごろに安値を付けた後は引けにかけて回復し、3万2500円を回復しようとする動きも見られていて、むしろ前日に続き底堅さも確認されている。

 



東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8196億円、売買高は6億3781万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1267、値上がりは480、横ばいは84銘柄だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)では不動産業、医薬品、卸売業の下落が目立った。上昇は海運業、石油・石炭製品、銀行業など。
 
個別ではソシオネクストの下値模索が続き、アドバンテストも軟調。三菱商事、丸紅など総合商社も安い。住友不、菱地所が売られている。ソフトバンクグループ、サイバーも売りに押された。力の源ホールディングスが急落、フェイスネットワークが大幅安、ファーマフーズも大きく値を下げた。
 
半面、川崎汽船が大商いで急騰したのをはじめ海運株の強さが目立った。東証の業種別株価指数の海運業は4%超高で前場を終えた。トヨタ自動車がしっかり、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも堅調。JSRは上値追いが続いた。OLC、京成が高い。

 

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