269ドル高、米景気指標を好感

29日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比269ドル76セント(0.8%)高の3万4122ドル42セントで終えた。

朝方発表された1~3月期の実質GDP(国内総生産)確定値が改定値から大幅に上方修正された
確定値は前期比で2.0%増(年率換算)だった。改定値(1.3%増)から大幅に上方修正された。個人消費が上振れするなど米景気の底堅さが示された。週間の新規失業保険申請件数も市場予想ほど多くなかった。
インフレ抑制に向けた米利上げ長期化懸念はくすぶっているものの、米景気の先行き不安が後退し、ダウは取引序盤から買い優勢の展開となった。

前日公表されたストレステスト(健全性審査)の結果で米大手23銀行のすべてが「合格」したことが判明したため、この日は金融株が上げを主導。経済指標で景気敏感株である素材、エネルギー、資本財のセクターにも買いが膨らみ、ダウは終盤まで堅調な値動きを維持した。

金融システム不安を巡る警戒が和らぎ、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが買われた。
クレジットカードのビザ、機械のハネウェル・インターナショナル、建機のキャタピラーといった消費関連株や景気敏感株も上昇した。

半面、顧客情報管理のセールスフォースが安い。ソフトウエアのマイクロソフトも下げた。大型ハイテク株には買われ過ぎの指摘もあり、売りが出やすかった。

FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数が30日に発表されるため、市場関係者の間で注目されている。

ナスダック総合株価指数は3日ぶりに小幅反落した。前日比0.419ポイント安の1万3591.331で終えた。半導体のマイクロン・テクノロジーが4%超下げた。前日夕に発表した決算は市場予想ほど落ち込まなかったものの、中国向け売上高を巡る不透明感が重荷となった。電気自動車のテスラは小幅高だった。

 


【シカゴ日本株先物概況】

29日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比60円安の3万3180円で終えた。29日の米ダウ工業株30種平均は堅調な米景気指標が好感され、反発したが、反応は限られた。日本株は足元で水準を切り上げていたため、日経平均先物には高値警戒感からの売りが優勢だった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)

33180 ( 0 )
 
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
33240 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7471.69(-28.80)

29日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反落した。前日に比べ28.80ポイント(0.38%)安の7471.69で取引を終えた。上場していないが、英国最大の水道事業者であるテムズ・ウオーターが経営危機に陥っていることをめぐって、英BBCは29日、「緊急の資金調達に向けて協議を行っており、英政府は同社破綻の最悪の場合に備えて行動する用意がある」などと伝えた。他の公益事業企業への長期的な影響を警戒し、公益事業セクターに売りが及んだ。

FTSE100の構成銘柄では、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールが6.54%安と急落。有害生物管理会社レントキル・イニシャルは4.73%安、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスも4.56%安となった。
一方、金融大手バークレイズは2.01%高、オカド・グループは1.96%高、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは1.54%高と買われた。.

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15946.72(-2.28)

29日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに小幅に反落した。前日に比べ2.28ポイント(0.01%)安の1万5946.72で取引を終えた。ドイツの6月の消費者物価指数(CPI、速報値)が市場予想を上回った。根強いインフレや欧米の主要中央銀行による利上げ継続への懸念が重荷だった。化学や不動産セクターが売られた。一方、29日の米株式市場でダウ工業株30種平均が堅調に推移しているのは投資家心理を支えた。

個別では、不動産大手ボノビアが2.58%安、素材化学大手コベストロが2.21%安、化学品商社ブレンタークが1.79%安。半面、高級車メーカーのポルシェは2.70%高、コメルツ銀行は1.63%高、半導体大手インフィニオンは1.57%高だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7312.73(+26.41)

フランスCAC40種指数は0.36%高だった。金利上昇を見込んで景気敏感株は売りが優勢となった一方、利ざや拡大期待から銀行株には買いが入った。

 

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