175円安と反落、四半期末のリバランス売り

 
30日午前の日経平均株価は反落し、前日比175円15銭(0.53%)安の3万3058円99銭で前場を終えた。
 
前日のNYダウは269ドル高と上昇したが、東京株式市場では4半期末のリバランスの売りも膨らみ日経平均株価は下落して推移した。一時下げ幅は300円を超し、3万3000円台を割り込む場面があった。7月上旬の上場投資信託(ETF)分配金捻出に伴う売りの増加などが警戒されたことに加え、日本株は短期的な過熱感が強いことも重荷となった。
ただ、下値では押し目買いが入り、下げ渋る場面もあった。
半導体関連株や銀行、商社株などが安い。半面、海運株や百貨店株などがしっかり。
 
29日発表された米国の2023年1~3月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)確定値は米経済の強さを示す内容だった。米国の金融引き締め長期化観測から米長期金利が上昇したことで、ハイテク株の一角に割高感から売りが出て指数を押し下げた。
 
「月末、週末で利益確定売りも出やすかった。足元の円安・ドル高進行は企業の採算改善期待としてあまり好材料となっておらず、むしろコスト高への警戒の方が強くなっている」と指摘した。
 
日経平均は一時3万3000円を割るなど同水準での攻防が続いている。新規失業保険申請件数や1-3月国内総生産(GDP)確定値の米経済指標が予想を上回ったことで、ドル高・円安に一段と拍車がかかっており、為替は東京時間に入って一時1ドル=145円の節目を超える場面もあった。こうした円安が支援材料になる一方、週末および月末、四半期末が重なる本日は年金基金のリバランス(資産配分の調整)目的の売りなど持ち高調整による需給悪化が意識されているもよう。
 
また、東京証券取引所が公表する裁定取引に係る現物ポジションによると、6月23日時点の裁定残高はネットベースで1兆4391.52億円の買い越しとなり、前週(1兆2810.89億円の買い越し)から大幅に増加、直近4年間における最高水準を記録した。裁定買い残の解消売り圧力が一段と高まっているといえ、今後の需給面での重荷となろう。
 
さらに、市場全体の信用取引残高(東京・名古屋2市場、制度・一般合計)では、買い残が前週比2212億円増の3兆4688億円と5週連続で増加し、21年12月以来の高水準となった。日米ともに株高基調が一服していることもあり、今後は個人投資家の利益確定売りも重荷として働いてきそうだ。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は続落し、午前終値は前日比17.25ポイント(0.75%)安の2279.00だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6742億円、売買高は7億916万株だった。東証プライム市場の値下がり銘柄数は1367、値上がりは399、変わらずは67だった。
 
業種別株価指数(33業種)は、その他製品、陸運業、サービス業、医薬品などが下落した。海運業、鉄鋼などは上昇。
 
個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロン、ソシオネクスト、信越化が安い。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが安く、三菱商事や三井物産が値を下げた。KDDI、中外薬、セブン&アイ、任天堂も売られた。
 
半面、ソフトバンクグループやファーストリテイリングは高く、日本郵船や前日に決算を発表した高島屋が買われた。外資証券がレーティングを2段階引き上げた三菱電機も上昇している。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次