6日午前の日経平均株価は続落し、前日比405円51銭(1.22%)安の3万2933円19銭で前場を終えた。下げ幅は一時480円を超えた。ただ、下値では買いが入り下げ渋った。
前日の欧州株市場が総じて軟調だったほか、米国株市場でNYダウが4日ぶりに反落するなどリスク回避ムードの地合いだったことを受け、広範囲に売りが優勢となった。世界経済の減速懸念に加え、米国ではFRBの利上げが長期化することへの警戒感が投資家マインドを冷やしている。ETF分配金捻出のための売り圧力が意識されるなか、半導体関連株に売りがかさんだことで買い手控えムードが広がっている。
7月上旬は上場投資信託(ETF)の分配金捻出に向けた売りが出る見込みで、需給悪化への警戒も重荷だった。米利上げ継続観測の強まりを背景に、5日に主要半導体株で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%超下落。6日の東京株式市場で東エレクやアドテスト、信越化など値がさの半導体関連株が軟調で、日経平均を押し下げた。
ただ、国内の機関投資家や一部の個人投資家の押し目買い意欲は根強く、3万3000円を割り込んだ場面では買いも入った。日経平均は前引けにかけて下げ幅を縮小した。
市場では「心理的なフシ目の3万3000円が意識されているが、米国で現地6日に6月ADP雇用統計と5月貿易収支が、翌日7日には6月雇用統計の発表を控えていることから、積極的には手がけにくい」との声が聞かれた。
日経平均は一時3万3000円を割り込み、25日移動平均線水準での攻防となっている。ただ、引き続き同線がサポートラインとして意識される底堅さが見られている。また、今週に入って欧米の長期金利が上昇するなか、ハイテク・グロース(成長)株からバリュー(割安)株への物色シフトが起きていることもあり、東証株価指数(TOPIX)は依然として25日線より上方でしっかりとした動きを保っている。本日、仮に日経平均が終値で多少25日線を下回ったとしても、TOPIXが同線上を維持できれば、本格的な調整には至らないかもしれない。
東証株価指数(TOPIX)は続落。JPXプライム150指数は前引け時点で10.87ポイント(1.03%)安の1044.09だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7529億円、売買高は7億4521万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1298と、全体の約7割を占めた。値上がりは477、横ばいは59銘柄だった。
業種別株価指数(33種)は機械、その他金融業、鉄鋼などが下落。上昇は鉱業、空運業、輸送用機器の3業種。
個別では、5日に富士通などが保有株式を海外市場で売り出すと発表したソシオネクストがストップ安ウリ気配となったほか、レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなど半導体主力銘柄が軒並み売られた。ファナックや安川電、日立建機も下落した。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが軟調、キーエンスも安い。ファーストリテイリング、ダイキン、ソフトバンクグループ(SBG)が安い。ANYCOLORが急落、サンケン電気、HEROZなども大きく値を下げた。
半面、神戸製鋼所が頑強、東京電力ホールディングスも買いが優勢だった。スズキが高い。富士通や日産化も買われた。日立製作所もしっかり。デンソーや横河電機、大塚HDが上昇した。エスプールがストップ高に買われ、レオパレス21も大商いで値を飛ばした。三櫻工業も物色人気だった。
