366ドル安、金融引き締め長期化に警戒

6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比366ドル38セント(1.1%)安の3万3922ドル26セントで終えた。

朝方発表された米民間雇用サービス会社ADPの6月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数が市場予想の2倍超の伸びを記録した。
ADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数は前月比49万7000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万人増)を大きく上回った。レジャーなどサービス業を中心とした雇用増がけん引した。

昨年以降の米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融引き締め策にもかかわらず、労働市場の需給引き締まりが示された。
米雇用統計で雇用者数の増加幅の予想を引き上げる金融機関もあり、労働需給の逼迫が高インフレの継続につながると警戒された。

FRBは6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いたが、7月には利上げを決めるとの見方が一段と強まった。年内に7月を含め2回の利上げがあるとみる市場参加者も増えた。米金利先物の値動きから市場が織り込む利上げの確率を算出する「フェドウオッチ」によれば、7月と9月に利上げする確率は約28%と前日(18%)から上昇した。

6日の米債券市場では10年物国債の利回りが一時4.08%と3月以来の高水準を付けた。金利の上昇で割高感が意識されたのも株式相場の重荷だった。
ダウ平均は取引序盤から景気敏感株を中心に売りが膨らみ、下げ幅は一時500ドルを上回った。

個別では、消費関連を含む景気敏感株への売りが目立った。ホームセンターのホーム・デポや工業製品・事務用品のスリーエム、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが下落した。一方、アナリストが目標株価を引き上げたソフトウエアのマイクロソフトは上昇した。スマートフォンのアップルも買われた。

ナスダック総合株価指数は続落した。前日比112.611ポイント(0.8%)安の1万3679.043で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムやネット検索のアルファベットが下げた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比670円安の3万2450円で終えた。6日は米雇用関連指標が市場予想を大幅に上回ったのを受け、米追加利上げへの警戒感が高まり、米株式相場が続落した。
東京市場でも日経平均株価が下げていた。投資家心理が冷え込み、日経平均先物も売り優勢となった。

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
32450 ( -280 )

シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
32505 ( -225 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7280.50(-161.60)

6日のFTSE100種総合株価指数は大幅に4日続落した。前日に比べ161.60ポイント(2.17%)安の7280.50と、2022年11月以来8カ月ぶりの安値で取引を終えた。欧米の主要中央銀行による金融引き締め長期化が世界的な景気の悪化を招くとの見方が強まり、株式に売りが出た。資源やエネルギー、医薬品など幅広いセクターが売られた。

6日発表の米雇用指標が米労働市場の需給引き締まり感の強さを示したことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化観測が強まった。労働需給の逼迫で賃金インフレが続く英国でも、イングランド銀行(英中央銀行)が想定を上回る利上げを迫られるとの見方から、市場が利上げの最終到達点を切り上げる動きが強まっている。

個別では、全体的に売られており、資源大手グレンコアが5.50%安。衣料小売ネクストは5.35%安、産銅大手アントファガスタも5.34%安と続いた。一方、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズは1.54%高で、数少ない買われた銘柄だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15528.54(-409.04)

6日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に4日続落した。前日に比べ409.04ポイント(2.57%)安の1万5528.54と約3カ月ぶりの安値で取引を終えた。欧米の中央銀行による金融引き締め継続が、景気を一段と冷やすとの懸念が強まった。独長期金利が大幅に上昇したのも重荷だった。指数を構成する40銘柄すべてが前日比で下落した。

個別では、不動産大手ボノビアが7.37%安で下落幅トップ。スポーツ用品大手アディダスが5.55%安、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが4.88%安と大幅に売られた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7082.29(-228.52)

フランスCAC40種指数は3.13%安だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測の高まりを背景に、景気減速懸念が出たことで世界的に株価が下落。欧州株でも売り材料となった。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次