反発、好業績銘柄などに買い

 
9日午前の日経平均株価は反発した。前引けは前日比223円68銭(0.77%)高の2万9173円56銭で、2日に付けた年初来高値(2万9157円)を上回った。
 
きょう前場は主力株中心に幅広くリスクを取る動きが活発化し、日経平均はフシ目の2万9000円台を回復した。前日の米国株市場は主要株価指数が高安まちまちだったものの、下値不安が和らいだことで東京市場では先物主導で買い優勢の流れとなった。半導体関連や鉄鋼株が買い戻され全体相場を押し上げている。個別には好決算を発表した銘柄を中心に買いが集まっている。
 
前日の米株式市場では半導体株などが堅調に推移し、ナスダック総合株価指数が上昇した。東京市場でも半導体関連や電子部品株などに買いが波及した。
 
好調な業績見通しや株主還元策の発表を受けた、鉄鋼や海運株の上昇も相場全体の地合いを上向かせた。業種別TOPIXでは「鉄鋼」と「海運」がそれぞれ大幅に上昇した。
 
海外の投機筋が先物に買いを入れているとの指摘もあった。市場では「米景気懸念を背景に、海外勢の一角は海外株のアロケーション(資産配分)を減らす一方で、日本株を増やしているようだ」との声が聞かれた。
 
2009年のリーマンショックのような急激な金融危機でない限り、株式の全面安は想定しづらい。景気に左右されにくいビジネスを展開している銘柄や、財務基盤が堅固で株主還元の強化余地がある銘柄などについては相対的な投資妙味が高まる局面と想定される。今週、東京市場では決算発表が佳境に入っているが、今決算シーズンではそうした銘柄選別を極めるタイミングといえよう。

 

東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5025億円、売買高は6億2645万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1470、値下がりは291、変わらずは72銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では鉄鋼、海運業、保険業の上昇が目立った。下落は精密機器、空運業のみ。
 
個別では、レーザーテック、アドバンテスト、東エレクの半導体や、太陽誘電、イビデン、富士電機、三井ハイテックなどのハイテクが全般上昇。三井物産、住友商事の商社も総じて高い。三井住友、第一生命HDの銀行・保険のほか、INPEX、石油資源開発の鉱業、住友鉱、DOWAの非鉄金属も堅調。今期の増益・増配見通しなどが好感されたJFEと東京鐵鋼が揃って急伸し、日本製鉄、神戸製鋼所などは連れ高。川崎汽船は株主還元の強化が評価されて大幅高となり、本日決算発表予定の郵船も連れ高。マクニカHD、LITALICO、インソースなども決算を材料に大幅に上昇した。
 
 一方、今期の大幅減益見通しが失望された東邦チタニウムが急落し、12日に決算を予定している大阪チタも連れて大幅安。リコー、HOYA、ユニ・チャーム、新日本科学、GMOペパボなども決算が嫌気されて大幅に下落している。

 

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