12日午前の日経平均株価は続伸し、前日比232円71銭(0.80%)高の2万9359円43銭で前場を終えた。
日経平均株価は続伸。前日の米株式市場で、NYダウは4日続落したが、ナスダック指数は続伸と高安まちまちだった。これを受けた、東京株式市場では日経平均株価が値を上げてスタート。海外投資家の買いも意識されるなか、好決算を発表した銘柄を中心に買いが流入し、日経平均株価は一時、2万9400円まで上昇し年初来高値を更新した。SQ概算値は2万9235円。
日銀が金融政策の修正に慎重なハト派的な姿勢を示すなか、地域銀行の経営不安などに揺れる米国と比べた日本株の投資環境の良好さに目を付けた海外勢の買いが相場を押し上げた。
9日に付けた年初来高値(2万9242円)を朝方に上回った後は利益確定売りも出たが、足元の相場の強さが意識されると断続的に先物に買いが入り、日経平均は次第に上げ幅を拡大した。
決算発表では業績の強弱感が分かれる内容となっている。ただ、自社株買いなど株主還元の強化を打ち出す企業が多く、投資家心理を支えた。
改めて本日の5月限オプション取引の特別清算指数(SQ)算出を境に需給が転換するリスクについても思い出しておきたい。なお、本日は東レ、AGC、住友電工、NTT、オリンパス、資生堂、クボタ、アサヒグループ、ヤクルト本社などの決算が予定されている。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。一時は2098.06と、5月9日に付けた年初来高値(2097.55)を上回った。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆793億円、売買高は8億4592万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は894、値下がりは857で拮抗した。変わらずは81銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)ではパルプ・紙、精密機器、ゴム製品などが上昇。石油・石炭製品、その他金融業、保険業などは下落した。
個別では、ファーストリテ、東エレク、アドテスト、KDDI、ソニーG、キーエンス、任天堂、HOYAなど値がさ株が全般高い。ニチレイ、日清食HD、ヤクルト本社など食料品も堅調。前期実績が計画を上振れ市場予想を大幅に上回る今期計画を発表した神戸製鋼所、増益増配見通しおよび中長期の数値目標が好感された住友不動産が急伸。日産自は増益増配見通し、ホンダは今期計画や自社株買いを材料に大きく上昇。ウシオ電機は今期減益見通しも大規模な自社株買いがサプライズとなり急伸。日本酸素HDは営業増益および増配計画が評価された。
一方、三菱UFJ、東京海上、郵船、川崎汽船、三井物産、ファナック、住友鉱、三菱重工業、INPEXなど景気敏感株で軟調なものが多い。赤字決算となったソフトバンクG(SBG)、今期が想定超の減益見通しとなった武田薬、今期2ケタ営業減益見通しの三菱地所、上半期計画が市場予想を下回ったSUMCOが大きく下落した。カシオ、シャープも下落した。
