5日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比199ドル90セント(0.6%)安の3万3562ドル86セントで終えた。前週末に701ドル高と急伸した反動で、主力株の一部に利益確定売りが広がった。景況感指標の悪化も景気懸念につながり、相場の重荷だった。スマートフォンのアップルは上場来高値を更新したが、下落して終えた。
先週末2日に発表された注目の5月の雇用統計では、労働市場の過熱感が弱まり、インフレ再加速への警戒感が和らいだ。同統計が好感される中、2日のダウは今年最大の上げ幅を記録した。
この日のダウは、先週末の相場急伸後の利食い売りに押され、取引序盤から弱含みに推移。雇用統計を通過して今週は重要な経済指標の公表に乏しく、材料難となる中、終盤まで軟調な値動きが続いた。市場では来週の連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策に注目が集まっている。
米国の債務上限問題への不安払拭や米連邦準備理事会(FRB)の6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送り観測で前週末2日にダウ平均は大幅に上昇し、今年最大の上げ幅を記録していた。1カ月ぶりの高値を付けていたため、主力株の一部に利益確定売りが出た。
朝方明らかにされた米サプライ管理協会(ISM)の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は、50.3と市場予想(52.3)市場予想を下回り、5カ月ぶりの低水準だったが、相場への影響は限られた。「インフレ鈍化が示された一方、景気の先行きへの懸念も浮上した」との指摘が聞かれた。
アップルは下落して終えた。年次開発者会議「WWDC」が始まる前は買いが先行し、上場来高値を更新した。だが、新製品であるゴーグル型ヘッドマウントディスプレーが発表されると次第に売りが優勢となった。映画・娯楽のウォルト・ディズニーはアップルの新製品で動画配信サービスを提供することが明らかとなり、上昇に転じた。
半導体のインテル、工業製品・事務用品のスリーエム、スポーツ用品のナイキが下げた。一方、バイオ製薬のアムジェン、小売りのウォルマートが上昇した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末比11.337ポイント(0.1%)安の1万3229.429で終えた。半導体のエヌビディア、交流サイトのメタプラットフォームズが売られた。
【シカゴ日本株先物概況】
5日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前週末比135円高の3万2100円で終えた。5日はダウ工業株30種平均は
前週末の大幅高を受けて利益確定の売りが出る中、反落した。
一方、日経平均株価は33年ぶりの高値を更新。日本株の先高観は根強く、日経平均先物には買いが優勢だった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
32100 ( -140 )
32100 ( -140 )
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7599.99(-7.29)
5日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに小幅に反落した。前週末に比べ7.29ポイント(0.10%)安の7599.99で取引を終えた。金融引き締め継続による景気減速懸念から、資源や銀行、資本財など景気敏感セクターに売りが出た。半面、医薬品や情報通信サービス、公益事業などディフェンシブセクターが買われ、下値は堅かった。
個別では、オンライン食品販売大手オカドが4.13%安と下落幅トップ。産金大手エンデバー・マイニングが3.76%安、金融持株会社ナットウエストが2.45%安と続いた。
一方、投資信託アブルドンは3.19%高、通信大手ボーダフォンは3.03%高とそれぞれ買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15963.89(-87.34)
5日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。前週末に比べ87.34ポイント(0.54%)安の1万5963.89で取引を終えた。調査会社センティックスが5日公表したドイツの6月の投資家信頼感指数が前月から大幅に低下した。ドイツ経済の先行きへの警戒感から金融や消費、素材、テクノロジーなど幅広いセクターに売りが出た。
個別では、通販大手ザランドが3.8%安。香料大手シムライズが1.95%、ドイツ銀行が1.68%下落した反面、高級車メーカーのポルシェと通信大手ドイツ・テレコムがそれぞれ1.92%、1.56%上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7200.91(-69.78)
フランスCAC40種指数は0.96%安だった。前週末の欧州株高に対する利益確定売りが出た。
