133円高と続伸、海外勢の先物買いで上げに

6日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前日比133円15銭(0.41%)高の3万2350円58銭だった。前日につけた約33年ぶりの高値を上回っている。前日に693円高と今年最大の上げ幅を記録した反動で利益確定目的の売りが先行したものの、すぐに下げ渋り、上昇に転じた。
 
朝方は売り優勢で日経平均が安く始まったが、その後は押し目買いが活発でプラス圏に切り返した。前日の欧米株市場が総じて下落したことを受け、東京市場でもリスク回避の流れが意識されたものの、海外投資家を中心に下値では買い注文が厚い。先物主導のインデックス買いに加え、空売り筋の買い戻しなども株価浮揚力を与えた。前引け段階では、この日のほぼ高値圏で着地している。ただ、中小型株は利益確定売りに押されるものも多く、値下がり銘柄数は1000を超え値上がり数を大きく上回っている。
 
海外投機筋の日本株に対する先高観は根強いなか、株価指数先物への押し目買いが日経平均を押し上げた。市場では「週末に控える株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出に向け、先物に思惑的な買いが入りやすい」との声があった。前日の米株安を受けた相場下落を見越し、売り持ち高を積み上げていた投資家の買い戻しも入ったようだ。
 
日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信の大幅な買い長の状況、および日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信の大幅な売り長の状況が続くなか、売り方の買い戻しが下値を支えたとみられている。ただ、それだけではなく、依然としてこれまでの上昇相場のけん引役である海外勢の買い意欲が旺盛であることも挙げられるだろう。やはり、少なくとも今週末の株価指数先物・オプション取引6月限の特別清算指数算出(メジャーSQ)を通過するまでは上方向を見ておいた方がよさそうだ。
 
また、これまで相場のけん引役だったハイテク株に上昇一服感が見られている。前日、米アップルは新製品として複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」を発表した。
株価は期待感から一時上場来高値を更新していたが、発表後は出尽くし感から下落に転じた。時価総額が大きく、市場への影響力が大きい同社株が上場来高値更新による達成感やイベント通過による材料出尽くし感からこのまま調整局面入りになるようだと、米株式市場の上値が重くなろう。米景気指標の下振れや財務相・日銀ら当局による円安けん制などを背景にドル円の先高観が薄れるなか、今後はじわりと進みそうな円高にも注意したい。
 

 



東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前日比4.28ポイント(0.19%)高の2224.07だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7340億円、売買高は6億3281万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は745と、全体の約4割にとどまった。値下がりは1016銘柄、変わらずは73銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は鉱業、卸売業、鉄鋼、建設業などが上昇した。下落は銀行業、海運業など。
 
個別では、レーザーテックが高く、ソシオネクストも物色人気。ディスコも高い。ファーストリテイリングやソフトバンクグループ(SBG)が堅調、三菱重工業が買いを集めた。IHIや川重、神戸鋼も買われた。ファーマフーズが値上がり率トップに買われ、立花エレテックも値を飛ばした。
 
半面、アドバンテストが利食われ値を下げたほか、キーエンスも安い。ソニーグループ、オリンパスが冴えず、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが下落した。フジ・コーポレーションが大幅安、TIS、メニコンなどの下げも目立った。

 

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