10日午前の日経平均株価は続伸し、前週末比115円67銭(0.42%)高の2万7633円98銭で終えた。
きょう前場は、強弱観対立のなかも総じて買いが優勢となり日経平均は2万7000円台後半で頑強な値動きを示した。前週末に発表された3月の米雇用統計は市場コンセンサスと大きなズレはなく、投資家の過度な不安心理が後退した。米株価指数先物の値動きなどを横目に、日経平均先物を絡めた空売りの買い戻しなどが全体相場を押し上げた。
外国為替市場でドル高・円安方向に振れたこともプラスに作用している。ただ、上値を積極的に買い進む動きはみられず、朝方に2万7700円台まで上値を伸ばした後は上げ幅を縮小している。
米労働省が前週末7日に発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比23万6000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万8000人増)とほぼ同水準だった。足元で広がっていた米景気不安がやや後退した。東京市場では海運や鉄鋼、非鉄金属などに投資家の物色が向かった。
円安・ドル高は相場の支えとなった。外国為替市場で円相場は一時1ドル=132円台半ばまで下落し、輸出採算の改善期待から日本株買いを誘った。
日経平均は戻り待ちの売りが上値を抑えた。日足チャート上の25日移動平均(前週末時点で2万7740円)近辺まで上昇すると売りに押された。主要企業の2023年3月期の決算発表シーズンが本格化する前とあって模様眺めの投資家も多く、買いの勢いは限られた。
本日の日経平均はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買いが先行する展開に。雇用統計への警戒感がこれまでくすぶっていたこともあり、ひとまずイベント通過で安心感が台頭している。ただ、週明けの欧州市場がイースターマンデーで休場となるなか、商いは膨らみづらいとみられている。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。午前終値は前週末比11.11ポイント(0.57%)高の1976.55だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で9282億円、売買高は3億9027万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1262。値下がりは465、変わらずは108銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では海運業、その他製品、保険業の上昇が目立った。下落はパルプ・紙のみ。
個別では、日本郵船や商船三井、川崎汽など海運株が商いを伴い買われているほか、任天堂やソニーGも値を上げた。オリエンタルランド、京王、小田急が高い。ファーストリテイリングも買いが優勢だった。ダイコク電機が値を飛ばし、トレジャー・ファクトリーも買われている。
半面、売買代金首位のレーザーテックが冴えず、ソフトバンクグループファナックが下落した。安川電機も売りが優勢となっている。技研製作所が急落、中部鋼鈑も大幅安。三光合成の下げも目立つ。スズキやマツダは安い。
