11日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比98ドル27セント(0.3%)高の3万3684ドル79セントで終えた。
ダウ平均は、手掛かり材料難の中、もみ合いで取引が始まった。12日午前に米労働省が発表する3月のCPIは前月比0.2%上昇、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は同0.4%上昇と、いずれも前月から伸びが鈍化すると予想されている。インフレ減速や米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ早期停止への期待から、景気敏感株を中心に買いがやや優勢な展開となった。
前週末発表の3月の米雇用統計がほぼ市場予想通りとなり、景気懸念が和らいだことから景気敏感株や消費関連株への買いが続いた。建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム、スポーツ用品のナイキが上昇した。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は11日、今後の金融政策運営を巡って「利上げに積極的になりすぎないように注意すべきだ」との考えを示した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続への懸念が薄れたのも投資家心理を支えた。
半面、先週までの米長期金利が低下する流れに一服感が出てきたことからハイテク株には売りが出た。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースが下げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比52.478ポイント(0.4%)安の1万2031.877で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の下げが目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比160円高の2万8025円で引けた。
NYダウは、3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見姿勢が広がる中、続伸した。
景気先行き不安が後退したとして米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが入った。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28025 ( +85 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28085 ( +145 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7785.72(+44.16)
イースター休暇明け11日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前営業日の6日に比べ44.16ポイント(0.57%)高の7785.72と、3月9日以来1カ月ぶりの高値で終えた。米景気悪化への過度な懸念が和らぐなか、世界的な景気減速への警戒感が後退し、資源株やエネルギー株など商品関連銘柄が上昇した。
個別では、約7割の銘柄が上昇した。資源大手リオ・ティントが4.9%高と上昇率トップ。アントファガスタ(4.8%高)やアングロ・アメリカン(4.2%高)、グレンコア(3.3%高)など資源関連株は軒並み堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15655.17(+57.28)
イースター休暇明け11日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前営業日の6日に比べ57.28ポイント(0.37%)高の1万5655.17と、2022年1月以来1年3カ月ぶりの高値で終えた。堅調な米雇用統計の結果を受け、米景気悪化に対する過度な懸念が和らいだのが投資家心理を支えた。自動車株や小売り株など消費関連銘柄が買われた。
個別では、セメント大手ハイデルベルクセメント(2.6%高)や不動産大手ボノビア(2.5%高)、BMW(2.3%高)などが買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7390.28(+65.53)
フランスの株価指数CAC40は続伸し、前営業日の6日に比べ0.89%高の7390.28と、過去最高値で終えた。
