13日午前の日経平均株価は小幅に続伸し、前日比25円97銭(0.09%)高の2万8108円67銭で前場を終えた。
前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落したことを受け、朝方は利益確定売りが先行したが、その後は押し目買いが優勢となり、日経平均は前場取引終盤に上昇に転じた。米ナスダック指数数先物が頑強な動きを示しているのを横目に、グロース株に値を戻すものが目立っている。ただ、個別株では値上がり銘柄数を値下がり銘柄数が上回っている。
前日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を下回り、インフレ鈍化が示されたと受け止められた。米利上げの長期化観測が和らいだ。東京株式市場ではグロース(成長)株かつ、景気動向に左右されにくいクオリティー(優良)銘柄が買われて相場を支えた。
半面、3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で金融不安によって米経済が下振れするリスクについて言及され、米景気の先行き懸念が強まったことは重荷となった。
日本株が底堅いのは、日本株を巡る固有の要因が背景にありそうだ。日本株はもともと米国株との対比で割安感が底堅さの要因として指摘されているが、東京証券取引所による株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業への改善策の具体策提示要請や、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本株追加投資、ヘッジファンド・米シタデルの日本再進出など、最近は日本株への期待値を高めさせるような材料・ニュースが増えてきている。また、日本銀行の植田和男総裁の記者会見を受けて、足元で円高懸念が和らいでいることも追い風になっていそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は0.87ポイント安の2006.05と反落した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1356億円、売買高は4億4973万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は804と、全体の約4割にとどまった。値下がりは933、変わらずは98銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では倉庫・運輸関連業、小売業、鉱業などが上昇した。下落は鉄鋼、空運業、銀行業など。
個別では、キーエンス、ファーストリテの値がさ株の一角が大きく上昇。三菱商事、伊藤忠など商社株はしっかり。中外製薬、第一三共の医薬品などディフェンシブの一角も堅調。業績上方修正や中期経営計画の数値目標引き上げが好感された広済堂HDがストップ高となり、好決算と中計目標の上方修正が評価されたトレジャー・ファクトリーもストップ高。コメダHDも好決算と中計上方修正を材料に急伸。ほか、決算を手掛かりにトランザクション、ハイデイ日高、TSIHD、エービーシー・マートが大幅に上昇している。イオンも買われた。
一方、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落を受けてレーザーテック、東エレク、ディスコのほか、村田製、イビデン、三井ハイテックなどハイテクが下落。ほか、三菱UFJ、りそなHD、富山第一銀行などの銀行、第一生命HD、東京海上の保険、日本製鉄、神戸製鋼所の鉄鋼などが軟調となっている。日産自も安かった。
