今週は堅調展開となった。日経平均は火曜11日に大幅上昇。植田日銀新総裁が就任会見で現行の金融政策を支持する意向を示したことや、ウォーレン・バフェット氏が日本に追加投資を検討しているとの日経記事が買い材料となった。翌12日には終値で節目の2万8000円を上回ると、13日には米国株安を跳ね返して上昇。14日は指数寄与度の大きいファーストリテイリングの大幅高などもあり、一時2万8500円を上回った。米国の注目指標を幾つか消化する週であったが、雇用統計やCPIは概ね予想の範囲内で相場のかく乱材料にはならなかった。市場予想を下回るPPIは米国株の大幅高をもたらし、日本株の上昇にも貢献した。
日経平均は今週負けなしで14日まで6日続伸。週間では約975円の上昇となり、週足では陽線を形成した。
最近の日経平均は上向きに転じた13週、26週移動平均線という重要な線に下値をサポートされての基調なので、日柄整理も完了させている良い形に入っている。昨年1年間は大局的なボックス圏上限ゾーンである2万8000円台半ばで上値を概ね抑えられてきていたが、現在は値幅・日柄整理ともに完了させている状態になっている。
来週は横ばい展開か。国内では小売などの決算発表が一巡する。3月訪日外客数(19日)や3月全国CPI(21日)など注目の指標もあるが、全体としては、火曜日以降は材料難となるだろう。
一方、米国では決算発表が出始めることから、海外動向に一喜一憂することになるだろう。米国に関しては、今週、CPIやPPIを確認してインフレ高進への警戒は後退しているものの、景気後退への警戒が高まる可能性があり、注意が必要。
来週は米国で住宅関連の指標がいくつか出てくる。日本株は今週大きく上昇したことから、良好な地合いは維持されると考える。ただ、3月決算銘柄は本決算の発表を先に控えて手がけづらくなることから、いったん上昇ピッチは鈍ると予想する。
「日経平均は6日の2万7500円絡みの水準から短期間で1000円も上昇し、ここからの一段高は容易ではない」との声もある。ただ、ウォーレン・バフェット氏による日本株に対する強気の見方や、東証のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業への改善要請などは引き続き相場のサポート要因として意識されるだろう。
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■上値・下値テクニカル・ポイント(14日現在)
29479.01 ボリンジャー:+3σ(26週)
28977.81 ボリンジャー:+3σ(13週)
28895.48 ボリンジャー:+3σ(25日)
28783.41 ボリンジャー:+2σ(26週)
28521.80 ボリンジャー:+2σ(13週)
28493.83 ボリンジャー:+2σ(25日)
28493.47 ★日経平均株価14日終値
28092.18 ボリンジャー:+1σ(25日)
28087.82 ボリンジャー:+1σ(26週)
28065.78 ボリンジャー:+1σ(13週)
27971.59 均衡表転換線(日足)
27968.08 6日移動平均線
27952.10 均衡表雲上限(日足)
27690.53 25日移動平均線
27683.86 均衡表転換線(週足)
27683.86 均衡表基準線(日足)
27609.76 13週移動平均線
27472.63 新値三本足陰転値
27425.50 200日移動平均線
27392.23 26週移動平均線
27321.34 均衡表雲上限(週足)
27311.94 75日移動平均線
27298.29 均衡表雲下限(週足)
27288.88 ボリンジャー:-1σ(25日)
27198.34 均衡表雲下限(日足)
ローソク足はマド空けを伴って4本連続陽線で終了。3月9日ザラ場安値28558.88円を上端とするマド埋めまで43.37円に相当する28515.51円まで買い進まれた。25日移動平均線との乖離率は2.90%と過熱ラインの5%まで余裕を残している。一目均衡表では週明け17日から遅行線の応当日株価急落で三役好転復帰とその後の強気シグナル増大が予想され、上昇基調の継続が期待できよう。一方、本日までの6連騰による上げ幅は1020.84円と大きいため、いったんスピード調整に入る可能性にも留意が必要となろう。
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