ダウ反落143ドル安、早期利上げ停止期待が後退

14日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比143ドル22セント(0.4%)安の3万3886ドル47セントで終えた。

午前に発表された一連の米経済指標がまちまちな内容となり、利上げ停止が近いという投資家の期待が後退した。3月の小売売上高は前月比1.0%減少と、市場予想(0.4%減少)を下回った。
ただ、自動車やガソリン、外食などを除けば0.3%減少と、予想(0.5%減少)を上回った。4月のミシガン大消費者調査では、1年先の期待インフレ率が4.6%(前月は3.6%)に上昇。米エコノミストによると、約2年ぶりの大幅上昇となった。
消費が落ち込み景気が減速するとの見方も売りにつながった。

また、朝方にFRBのウォラー理事が講演で「一段の利上げが必要だ」と語った。アトランタ連銀のボスティック総裁も次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする考えを示したと伝わった。引き締めを維持する姿勢を示したことで、利上げ継続による景気悪化の懸念が強まった。
ダウ平均は前日に約2カ月ぶりの高値まで上昇しており、週末を控え持ち高調整の売りも出やすかった。

映画・娯楽のウォルト・ディズニーや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落した。主力民間機の品質問題が明らかになった航空機のボーイングも大幅安。医療保険のユナイテッドヘルス・グループは2024年の保険制度改定への懸念が重荷となった。

一方、金融のJPモルガン・チェースは7%超上昇した。同日発表の23年1~3月期決算で売上高と1株利益が市場予想以上となり、好感した買いが広がった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、シティグループの決算も市場予想を上回り、投資家心理の支えとなった。

ナスダック総合株価指数は反落した。前日比42.806ポイント(0.4%)安の1万2123.466で終えた。電気自動車(EV)のテスラや動画配信のネットフリックスなどが売られた。13日夕に発表した23年1~3月期の生産・出荷が低調だった新興EVのルーシッド・グループは6%安だった。

 


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比95円高の2万8490円で引けた。NYダウは米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利上げを停止することへの期待がややしぼみ、反落した。

同日のニューヨーク外国為替市場で円安・ドル高が進み、輸出企業の採算改善につながるとの期待が支えとなった。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)

28490 ( +70 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28530 ( +110 )
 
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

14日のFTSE100種総合株価指数は6日続伸した。前日に比べ28.53ポイント(0.36%)高の7871.91と、連日で3月9日以来約1カ月ぶりの高値で終えた。4週連続で上昇し、週間の上昇率は1.7%だった。14日発表の米大手金融機関の好調な決算を受け、米銀行株が上昇しており、スタンダードチャータードやバークレイズなど英銀行株に買いが波及した。

個別では、スタンダード・チャータードが4.4%高で上昇率トップ。バークレイズ(3.2%高)やHSBCホールディングス(3.00%高)、ロイズ・バンキング・グループ(0.9%高)など銀行株は軒並み堅調だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

14日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸した。前日に比べ78.04ポイント(0.50%)高の1万5807.50と、連日で2022年1月以来1年3カ月ぶりの高値で終えた。ドイツ銀行やコメルツ銀行が大幅高となるなど銀行セクターに買いが入った。週間の上昇率は1.3%だった。

個別では、コメルツ銀行が5.7%高、ドイツ銀行が4.6%高と、上昇率の上位2位を占めた。

■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は5日続伸し、前日に比べ0.52%高の7519.61と、過去最高値を連日で更新した。週間では4週連続で上昇し、上昇率は2.7%だった。

個別では、、ソシエテ・ジェネラルが上昇率トップの3.6%高、BNPパリバが3.2%高、クレディ・アグリコルが2.3%高と、銀行勢が上位を独占した。

 

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