3日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比270ドル29セント(0.8%)安の3万3414ドル24セントで終えた。
米連邦準備理事会(FRB)は3日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決めた。FOMC後のパウエルFRB議長の記者会見がタカ派的と受け止められ、次第に売りが優勢となった。
声明では、これまでの「追加の金融引き締めが適切」との文言を削除し、利上げを一旦停止することを示唆した。ただ、パウエルFRB議長は会見で、「インフレ低下には時間が掛かる。利下げは適切ではない」と強調。「利上げ停止を決めていない」とも述べた。
0.25%の利上げは大方の予想通りだった。パウエル議長は記者会見で、「金融引き締めが正当化される場合には、その用意がある」などと述べた。「今回で利上げを打ち止めにするという見方が後退し、タカ派的との受け止めが広がった」といい、相場の重荷となった。
同日のダウ平均は、FOMCを控え、もみ合いで取引を開始。FOMC声明発表後は、利上げ停止が示唆されたことで、100ドルあまり上昇する場面もあったが、パウエル議長の会見を受けて下落に転じた。
声明文で「追加の引き締めが適切」とした前回の表現を修正した上で、「(FRBの)政策目標の達成に妨げとなるようなリスクが顕在化すれば、金融政策運営のスタンスを適切に調整する用意がある」と記した。利上げ打ち止めへの期待が広がった。
ダウ平均の構成銘柄では、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス、バイオ製薬のアムジェン、金融のJPモルガン・チェースなどが安かった。原油先物相場の下落で、石油のシェブロンも売られた。一方、半導体のインテル、通信のベライゾン・コミュニケーションズが上昇した。
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比55.178ポイント(0.5%)安の1万2025.328で終えた。2023年4~6月期の売上高見通しが市場予想を下回った半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が9%下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比100円安の2万8715円で引けた。
3日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見の内容が金融引き締めに積極的なタカ派的と受け止められ、売りが優勢だった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28715 ( -415 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28730 ( -400 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
3日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ15.34ポイント(0.20%)高の7788.37で終えた。世界経済の見通しに不透明感がある中、医薬品や情報通信サービス、公益事業などディフェンシブセクターに買いが入った。半面、景気懸念から銀行やエネルギーに売りが出た。3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や4日の欧州中央銀行(ECB)理事会の結果公表を控え、値動きは乏しかった。
個別では、前日売り込まれた教育・メディア大手ピアソンが10.1%高と急反発。通信大手ボーダフォンと投資会社メルローズ・インダストリーズが2.6%高、高級衣料のバーバリーが2.5%高で続いた。一方、金融大手ロイズ・バンキング・グループは3.6%安、大衆医薬品のヘイリオンは3.4%安、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは2.9%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
3日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ88.12ポイント(0.56%)高の1万5815.06で取引を終えた。前日に1%強下落していた反動で、値ごろ感に着目した買いが優勢だった。ヘルスケアや化学、自動車セクターの一角が買われた。もっとも、3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や4日の欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表を控え、上値を追う雰囲気は乏しかった。
個別では、医療機器のザルトリウスが5.2%高で上昇率トップとなったほか、医薬大手メルクが.3.1%高、化学大手BASFも2.6%高と買われた。半面、通販大手ザランドは2.1%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.7%安、スポーツ用品大手アディダスは1.6%安となった。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.28%高だった。
堅調な企業決算を手掛かりに買いが優勢となった。
