反落、2万9000円割れ 円高と利益確定売り

 
8日午前の日経平均株価は反落し、前営業日に比べて188円27銭(0.65%)安い2万8969円68銭で前場を終えた。
 
きょう前場は目先筋の戻り売りが優勢となり、日経平均は200円近い下げでフシ目の2万9000円台を割り込んだ。大型連休中に米国株市場が波乱含みの展開となったことで、投資家心理に警戒感が芽生えている。足もと外国為替市場でドル安・円高方向に振れていることも輸出株を中心に全体相場の重荷となっている。
 
米連邦準備理事会(FRB)は大型連休中に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決めた。市場で金融引き締めの長期化が意識されていることも株式相場の重荷となった。
 
ただ、下げ渋る場面もあった。前週末の米市場で主要株価指数が上昇したことが支援材料になった。きょうから新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に移行し、リオープン(経済再開)を意識した物色が相場全体を下支えした。
 
今後のインフレ指標の結果には注目が集まるだろう。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年同月比で5.5%上昇と予想されており、3月は5.6%上昇だった。物価上昇圧力のペース鈍化が小幅にとどまっており、インフレが根強いことを示唆する。11日には4月の米生産者物価指数(PPI)も公表される予定で、前月比では物価圧力の強まりが予想されている。これらの指標の結果次第では相場が大きく動く可能性があるため、今週は様子見姿勢を強める判断も妥当といえそうだ。
今後の米国の物価上昇率の動向、FRB高官の発言には引き続き最大限注目しておきたい。後場の日経平均は、軟調な展開が続くか。決算発表を終えた銘柄や新興株への物色が継続するか注目しておきたい。
 

 


東証株価指数(TOPIX)は続落。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5486億円、売買高は6億733万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は658と、全体の4割弱にとどまった。値上がりは1093、変わらずは83銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では鉱業、銀行業、保険業などが下落。空運業、パルプ・紙、海運業などは上昇した。
 
 
個別では、日経平均への寄与度が高いファストリが下げた。銀行株も安いレーザーテックが軟調、ソニーグループも売りに押されている。第一三共、資生堂も安い。アドウェイズが急落、ジャムコも大幅安となっている。
 
半面、前営業日に決算発表したJTが大商いで上昇、キーエンスも堅調。任天堂やJALも買い優勢。JVCケンウッドが急騰したほか、ひらまつも物色人気となっている。

 

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