為替にらみの展開か

 
あす9日の日経平均株価は、為替にらみの展開が続こう。
8日の日経平均株価は4営業日続伸し、2万8444円(前日比135円高)で引けた。朝方は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が7日の上院議会証言で利上げペース加速の可能性を示唆し、米国株式が下落した流れを受け、売りが先行したが、一巡後は円安・ドル高が支えとなり、上げに転じた。円安進行とともに一段高となり、上げ幅は一時160円に達した。
 
市場では、「円安をきっかけに先物買いを誘発し、さらに週末SQ(特別清算指数)算出に向けた買いを呼び、上げに拍車を掛けた」との声が聞かれた。円安基調を保つようなら、相場のサポート要因として引き続き意識されるが、「円安一服となれば、その反動が出てくるだろう」(同)との指摘もあった。日経平均は22年9月13日(終値2万8614円)以来約半年ぶりの高値水準に浮上してきただけに、ここから上値を追うには新たな材料が欲しいところでもある。
 
国内では明日から(~10日)黒田総裁下で最後の日銀会合が開催される。最後ということで色々と思惑は膨らむが、新総裁となる植田和男氏が現行の金融政策を支持する姿勢を示しているのだから、このタイミングで日銀が動く必要はない。
現状維持であれば、今の相場環境では円安が進みやすい。この点は日本株のサポートになると見込まれる。外需はもちろん、訪日消費の拡大という点では内需にも恩恵が期待できる。きょうは突然インバウンド関連に強い買いが入ったが、円安基調が続いているうちは物色面においても好循環が継続する可能性が高いだろう。
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(8日現在)
 
29436.23  ボリンジャー:+3σ(13週)
29402.36  ボリンジャー:+3σ(26週)
28686.08  ボリンジャー:+2σ(26週)
28660.18  ボリンジャー:+2σ(13週)
28527.07  ボリンジャー:+3σ(25日)
 
28444.19  ★日経平均株価8日終値
 
28226.14  ボリンジャー:+2σ(25日)
27989.00  6日移動平均線
27969.80  ボリンジャー:+1σ(26週)
27927.47   新値三本足陰転値
27925.21  ボリンジャー:+1σ(25日)
27884.13  ボリンジャー:+1σ(13週)
27798.87  均衡表転換線(日足)
27757.75  均衡表基準線(日足)
27689.37  均衡表雲上限(週足)
27624.29  25日移動平均線
27548.18  均衡表雲下限(週足)
27330.16  200日移動平均線
27323.36  ボリンジャー:-1σ(25日)
27300.89  75日移動平均線
27253.52  26週移動平均線
 
ローソク足は4本連続陽線で終了。下ヒゲが4.53円と短い寄り付き坊主に似た陽線を引き、高値と安値も連日で前日水準を上回る赤三兵を2日連続で形成し、強い上値追い圧力を窺わせた。一目均衡表では、基準線と重なって上昇していた転換線が上昇角度を増して基準線を上回り、三役好転が完成して買い手優勢の形状が強化された格好。25日移動平均線との上方乖離率は2.97%と買われ過ぎとされる5%ラインまで余裕を残すが、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は124.51%(昨日123.41%)に上昇して3日連続で120%を超えており、過熱感への留意も必要となる局面に入ってきたようだ。
 
 

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