ダウ続落90ドル安、信用不安が重荷

13日のNYダウ工業株30種平均は5日続落し、前週末比90ドル50セント(0.3%)安の3万1819ドル14セントで終えた。昨年10月下旬以来の安値。

先週末以降の米中堅銀行シリコンバレーバンクとシグネチャー・バンクの経営破綻を受けて信用不安が広がり、ダウ平均は下落して取引が始まった。金融株の下げがきつく、特にファースト・リパブリック・バンクやウェスタン・アライアンス・バンコーポレーションなど地銀株は大幅下落した。
ただ、信用不安の拡大により、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが減速するとの観測が広がると、下げ幅を縮小。一時330ドル超高とプラス圏で推移する時間帯もあった。市場では「今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ幅が0.25%にとどまることをやや後押しする」との声もあった。

今週は、2月の消費者物価指数(CPI)と小売売上高の発表を控えており、金融政策の先行きを見極めようと、関心が集まっている。

ダウ平均の構成銘柄ではないがファースト・リパブリック・バンクは62%安、コメリカは28%安と下げがきつかった。ダウ平均の構成銘柄では金融大手のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが安い。

市場では「銀行は融資を縮小し、米景気は減速しやすくなる」との声も聞かれた。景気悪化への懸念からクレジットカードのアメリカン・エキスプレスや化学のダウの下げも目立った。ダウ平均の下げ幅は取引開始直後に280ドルを超えた。

売り一巡後は下げ渋り、ダウ平均の上げ幅は330ドルに達する場面もあった。市場では「状況が落ち着くまでFRBは利上げを停止するだろう」との声が聞かれた。ゴールドマン・サックスやバークレイズは3月のFOMCで政策金利が据え置かれる可能性を指摘した。

米利上げの一時休止観測が浮上するなか、米国債には買いが広がった。10年物国債利回りは一時前週末比0.29%低い3.41%と約1カ月ぶりの低水準を付け、金融政策の影響を受けやすい2年物国債利回りは5カ月ぶりに4%を割り込む場面があった。相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入りやすく、ソフトウエアのマイクロソフトが2%高で終えた。スマートフォンのアップルと顧客情報管理のセールスフォースも高い。

投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前週末比7%ほど高い26台半ばで終えた。不安心理が高まった状態とされる20を大きく上回った。

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前週末比49.955ポイント(0.4%)高の1万1188.843で終えた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

13日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前週末比365円安の2万7160円で引けた。
NYダウは、米中堅銀行2行の経営破綻に伴う信用不安が重荷となり、続落した。
シリコンバレーバンク(SVB)など米銀破綻を巡る混乱が引き続き重荷になっている。外国為替市場での円高・ドル安も売りを促した。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27160 ( -490 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27235 ( -415 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7548.63(-199.72)

13日のFTSE100種総合株価指数は大幅に3日続落した。前週末に比べ199.72ポイント(2.58%)安の7548.63と、2022年12月30日以来約2カ月半ぶりの安値で取引を終えた。米銀行の破綻を受け、金融システムへの悪影響への懸念が広がり、投資家が運用リスク回避姿勢を強めた。エネルギー株や銀行株、資源株など景気敏感銘柄に売りが出た。

スタンダードチャータードやバークレイズなど英銀大手の下落が目立った。

個別では、スタンダード・チャータードが6.9%安と下落率トップ。バークレイズ(6.3%安)やロイズ・バンキング・グループ(5.1%安)、HSBCホールディングス(4.1%安)も売られた。
 安全資産として金が上昇したことで、産金大手エンデバー・マイニング(4.2%高)や同フレスニロ(3.5%高)は堅調だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14959.47(-468.50)

13日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続落した。前週末に比べ468.50ポイント(3.04%)安の1万4959.47と、1月中旬以来およそ2カ月ぶりの安値で終えた。米国の銀行の経営破綻で金融システム不安が高まり、金融株を中心に幅広い銘柄に売りが出た。

個別では、コメルツ銀行が12.7%安と急落。ドイツ銀行(4.9%安)や総合電機大手シーメンス(4.4%安)、保険大手アリアンツ(4.3%安)も売られた。

イタリアの代表的な株価指数FTSE・MIBは4.03%安、欧州主要600社の株価指数であるストックス600は2.42%安だった。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7011.50(-209.17)

フランスCAC40種指数は2.90%安だった。
米シリコンバレーバンクの破綻をきっかけにリスク回避ムードが強まり銀行株が大きく下げた。

 

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