27日午前の日経平均株価は反発し、前週末比85円92銭(0.31%)高の2万7471円17銭で終えた。前週末24日の米株式相場の上昇を受け、幅広い銘柄に買いが入った。一方、指数寄与度の高い半導体関連株が軟調で、日経平均は下げる場面もあった。
買い手控えムードのなか朝方は日経平均が安い場面もあったが、その後は買いが優勢となりプラス圏に切り返した。前週末の欧州株が全面安に売られたものの、米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が朝安後に切り返しており、東京株式市場でもこれに追随する展開となった。ただ、半導体関連などが軟調で上値も重い地合いとなっている。
前週末の米株式市場では、業績が景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ株が買われた。東京株式市場でも相対的なディフェンシブ性が意識され、鉄道や医薬品株の上昇が目立った。29日に3月期末の配当の権利付き最終売買日を控え、権利取り狙いの買いが入るとの思惑も相場を支えた。
三井不が2%超上昇するなど不動産株がしっかり。市場では「足元で日米長期金利の低下が続いており、金利敏感銘柄の不動産株が買い直されている」との声があった。
一方、日経平均は下げる場面もあった。前週末の米半導体株安の流れを受け、東エレクやアドテストが売られた。欧米の金融システムを巡る不安が根強く、三菱UFJなど銀行株が安かった。
今後も先行き不透明感はくすぶるだろうが、金融システム不安についてのピークは過ぎたとみられている。株式市場は、4月末まではやや底堅い動きとなる可能性があるが、5月以降は想定外の動きが出てくる可能性があろう。
既存金融システムを警戒する投資家は暗号資産ビットコインをポートフォリオに組み込むか一考する必要があるだろう。後場の日経平均は、プラス圏での推移が続くか。個別材料株への物色が継続するか注目しておきたい。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。午前終値は前週末比7.94ポイント(0.41%)高の1963.26だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1260億円、売買高は4億7682万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1305と、全体の約7割を占めた。値下がりは461、変わらずは69銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では陸運業、不動産業、卸売業の上昇が目立った。下落は銀行業、鉱業、電気機器など。
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連が安く、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも下げが目立つ。メルカリも売りに押された。新電元工業が急落、冨士ダイスも大幅安。サイバーや楽天グループが下落した。電通グループや村田製、郵船が売られた。
半面、ネクソンや住友ファーマの上昇が目立った。双日、スズキ、三越伊勢丹が買われた。商船三井がしっかり、キーエンスも堅調。JR東海、JR西日本など鉄道株も買われた。ユーザーローカル、ブレインパッド、HEROZ、アステリアなどAI関連株が値を飛ばし、個別に西華産業が値上がり率トップに買われた。
