107円高と続伸、配当取りの買い

29日午前の日経平均株価は続伸し、前日比107円74銭(0.39%)高の2万7625円99銭で前場を終えた。3月期決算企業の権利付き最終日とあって、配当や株主優待の権利取りを意識した買いが入った。
 
前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに安かったが、きょうは配当権利付きの最終日ということもあり、3月期決算の高配当銘柄を中心にリスクを取る動きが優勢となった。日経平均寄与度の高い一部の値がさ株への買いが全体指数に浮揚力を与えている。取引開始後に外国為替市場で急速にドル高・円安に振れたことも市場のセンチメントを強気に傾けた。
日経平均への寄与度が高いソフトバンクグループ(SBG)が大幅高となったことも支えになった。
前日の米株式市場で中国電子商取引(EC)大手アリババ集団の預託証券(ADR)が急伸。同社に出資するSBGには運用収益改善を期待した買いが入り、1銘柄で午前の日経平均を50円ほど押し上げた。外国為替市場で円相場が円安・ドル高に振れたのも支援材料になり、日経平均は午前のなかごろにかけて上げ幅を拡大した。
 
前日の米株式市場で主要指数が下落したことは上値を抑えた。日経平均は朝方に下げに転じる場面もあった。
 
本日は配当・優待権利付き最終売買日ということもあり、週明けから強まっているバリュー(割安)・高配当利回り銘柄を物色し直す動きがまだ続いている様子。一方、過度な金融システム不安の後退に伴うバリュー買い戻しと表裏の関係にあるハイテク・グロース(成長)売りも緩やかながらまだ続いている。ただ、バリューの買い戻し&ハイテク・グロースの売りの動きは週明けに比べれば大分弱まってきた印象。明日の権利落ち日を境に再びハイテク・グロースに物色機運が戻ってくる可能性がありそうだ。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は続伸。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆2843億円、売買高は5億2868万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1492と、全体の約8割を占めた。値下がりは284銘柄、変わらずは58銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では鉱業、ゴム製品、パルプ・紙などが上昇。下落は海運業、医薬品のみ。
 
個別では、ファーストリテ、SMC、ダイキンなどの値がさ株の一角が高い。円安進行を受けて日産自、ホンダ、ブリヂストンなどの自動車関連も堅調。JAL、JR西、三越伊勢丹、寿スピリッツなどのインバウンド関連は全般しっかり。日本製鉄、OLCも高い。レーザーテックはレーティング格上げで上昇。中国アリババの持ち株会社制への移行発表を手掛かりにソフトバンクGが大幅高。大口受注を発表したVテク、業績・配当予想を上方修正したスターティアH、HASUNAとの資本業務提携を発表したエスクリがそれぞれ急伸。新中期経営計画がサプライズとなったピアラはストップ高買い気配のまま終えている。
 
一方、三菱UFJや海運株はさえない。米マイクロン・テクノロジーが決算を受けて時間外取引で上昇している中ではあるが、週明けからのリターン・リバーサルが続いている東エレク、アドバンテストの半導体関連株は総じて下落。ほか、大栄環境、サンケン電気、日本ピラー工業、岡三証券グループ、旭ダイヤなど東証プライム市場が並んでいる。
 

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