30日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前日比202円46銭(0.73%)安の2万7681円32銭だった。
前日の欧米株が上昇したことを受けリスクを取る動きが継続したが、配当権利落ちに伴う下押し圧力で日経平均株価は反落となった。海運や鉄鋼など配当利回りの高いセクターに下げが目立つほか、銀行や保険など金融株にも売りがかさんだ。一方、下値では押し目買いの動きが活発で、配当権利落ちで257円程度の下げ圧力を考慮すると実質的にはプラス圏での着地となっている。
半導体関連などハイテク株は堅調だった。29日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は前日比3.3%高で終えた。米インテルやマイクロン・テクノロジーなどが半導体需給の改善期待などで上げ、東京株式市場でも東エレクやTDKなどに買いが波及した。
市場では「3月は配当取りの動きから資金流入がみられたが、4月は月替わりで資金流入が縮小するのではないかとの見方から、利益確定売りが優勢となったようだ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。午前終値は前日比17.31ポイント(0.87%)安の1978.17だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3716億円、売買高は5億6138万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1353。値上がりは428、変わらずは36、比較不可は16銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、石油・石炭製品、証券・商品先物取引業、その他金融業などが下落。上昇は精密機器、ゴム製品など。
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)、コマツ、安川電は安い。配当落ちで川崎汽船の海運、三井住友、第一生命HDの銀行・保険、KDDIの通信、住友商事の商社、日本製鉄の鉄鋼、ENEOSの石油・石炭などが総じて下落。東エレク、アドバンテストの半導体関連も軟調。マネーフォワード、JMDC、SHIFTなどグロース(成長)株も冴えない。
一方、第一三共、東電HD、T&DやりそなHDが上げた。米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)や米ナスダック指数の大幅高を背景にレーザーテック、ソニーGが上昇しているほか、米インテルの新製品投入時期に関する発表を材料に同社を顧客にもつ新光電工、イビデンが大幅高。為替の円安を追い風に無配当の三菱自など輸送用機器の一角も買われている。残存する新株予約権の取得と消却を発表した藤倉コンポジットも急伸した。
