3日午前の日経平均株価は続伸し、前週末比108円41銭(0.39%)高の2万8149円89銭で前場を終えた。上げ幅が200円を超える場面があった。
朝方から買いが優勢となり日経平均株価は2万8000円台前半で頑強な値動きを示した。前週末の欧州株市場が全面高に買われたほか、米国株市場でもNYダウなど主要株価指数が大幅高になったことを受け、リスク選好の地合いとなった。欧米で経済指標の発表を受け、インフレ警戒感が和らいでいる。そうしたなか、半導体関連株は主力銘柄が売られ全体指数の上値を重くした一方、中小型のパワー半導体関連などが買われ、跛行色がみられる。日経平均、TOPIXともに前場取引後半は上げ幅をやや縮小している。
金融機関が含み益のある保有株を売却する期初の「益出し」が重荷となった。
前週末の米市場では市場予想を下回る物価指標の伸びを受け、米利上げ長期化の観測が後退。NYダウ工業株30種平均など主要な株価指数が上昇した。PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る企業に東京証券取引所が改善策を要請したのを受け、改善が進むとの思惑からバリュー(割安)株への買いが目立った。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」の主要加盟国が2日に追加減産を決めたため、原油先物相場が急伸。石油や鉱業株に買いが集まった。
原油高メリット銘柄に買いが向かっているが、原油高により世界中でインフレ圧力が再度強まると、中央銀行が高い政策金利を長期にわたって維持することを強いられることになる。ただ、前週末の米2月個人消費支出(PCE)の結果でサービス価格にピークアウトの兆しが見えており、協調減産に伴う原油高がそのままインフレ加速につながる可能性は低いかもしれないと想定している市場関係者もいるようだ。
企業景況感の悪化が相場の上値を抑えた。日銀が3日朝に発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が市場予想を下回った。政府が前週末に半導体製造装置について対中輸出の管理対象に追加したことを受け、値がさの半導体関連銘柄が売られた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆4244億円、売買高は5億9546万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1441、値下がりは334、変わらずは59銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、石油・石炭製品、その他金融業、精密機器などが上昇した。下落は海運業、ゴム製品など。
個別では三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクがしっかり、ソフトバンクグループも頑強。ファーストリテイリングも上昇した。INPEXが大幅高。マネーフォワードが値を飛ばし、コンコルディ、千葉銀が買われた。SREホールディングス、フィックスターズ、サムコ、円谷フィールズホールディングスなども大幅高となった。
半面、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体製造装置関連株が安川崎汽、商船三井が安かった。キーエンスなども値を下げた。三井物産も軟調。理研計器、タツモなどの下げも目立つ。
