反落156ドル安、CPI上振れで米引き締め長期化警戒

14日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比156ドル66セント(0.5%)安の3万4089ドル27セントで終えた。

 
 
朝方発表された1月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.5%上昇と、市場予想と一致。伸びは7カ月連続で鈍化したが、前年同月比では6.4%上昇と、市場予想を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化することへの懸念が強まった。
 
 
CPIを受けて午前のダウは総じて売り優勢の展開となり、下げ幅は一時400ドルを超えた。ただ、売り一巡後はCPIが懸念されたほどインフレ高進を示す内容ではなかったとの見方もあり、午後に入ると徐々に買いが強まって下げ幅を縮小した。
 
CPIの上振れが想定内との受け止めが一部にあったうえ、前年同月比の上昇率は22年6月をピークに低下が続いている。FRBの金融引き締めのスタンスを変えるほどではないとの見方もあって、下値では株買いが入った。
 
 
飲料のコカ・コーラや建機のキャタピラーが下落した。化学のダウと顧客情報管理のセールスフォースも安かった。一方、インドから大型受注のあった航空機のボーイングが上昇。スポーツ用品のナイキと銀行のJPモルガン・チェースも買われた。
 
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比68.356ポイント(0.6%)高の1万1960.145で終えた。電気自動車のテスラと半導体のエヌビディアが買われた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比45円高の2万7745円で引けた。米株式市場でナスダック総合株価指数が上昇するなどハイテク銘柄の一角は堅調に推移し、日経平均先物にも買いが及んだ。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27745 ( +125 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27755 ( +135 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7953.85(+6.25)

14日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ6.25ポイント(0.07%)高い7953.85で引けた。一時7996.35と、8000目前まで上昇した。

個別では、携帯電話サービスのボーダフォンや英通信大手BTグループなど情報通信株が堅調だった。スイスの清涼飲料水メーカーのコカ・コーラHBCは5%近く上昇した。14日発表した2022年12月期決算は事業利益がアナリスト予想を上回り、好感した買いが入った。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15380.56(-16.78)

14日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比16.78ポイント(0.1%)安の1万5380.56で終えた。14日発表の1月の米消費者物価指数(CPI)で前月比の伸びが市場予想を上回り、米金融引き締めが長引く可能性が意識され、ドイツ株にも売りが出た。

欧州主要600社の株価指数であるストックス600は小幅に続伸した。独旅行大手のTUIが14日、今夏に向けた予約も順調だと明らかにし、買いが関連銘柄に広がった。

個別では、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズ(4.1%安)や医療機器のザルトリウス(1.6%安)が売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7213.81(+5.22)
フランスCAC40種指数は0.08%高だった。
米消費者物価指数が強い結果となり、米利上げの長期化観測が高まったことで、取引終盤にかけて値を消した。
 

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